コンピュータ入門1 プログラミングの考え方
1987 年刊行のシリーズで、この第1巻の画期的に思えたのは、あくまでもアルゴリズムを理解してもらおうということで、プログラム言語によらない解説を試みたこと。プログラムの命題を設定して、それを実現するにはどんな処理が必要なのかをあらいだして、それを言葉で列挙していくというもので、特別に決めた記号(●■▲+-><など)は使う程度で、あとは日本語で簡潔に書かれているあたりが、当時としては珍しかった。きっと、今でも珍しいのだろうとは思うけれど。
「編集にあたって」として、次のようなことが記されている。
”コンピュータを始めました。何かよい本はありませんか”とよく聞かれる。パーソナルコンピュータの普及によって、多くの人がコンピュータに親しむ機会をもつようになったからである。 (中略)いざプログラムを勉強しようとすると、たくさんのプログラミング言語がある。だがプログラム作りとは、実は、手順を整理して書きあげるという作業である。だから、手順を整理していくための考え方・まとめ方を身につけることが大切なのである。そこで、日本語を主体にした自然な表現方法で、この考え方・まとめ方を学ぶという、これまでにない試みをした。それが第1巻である。そこで作った手順を、第2巻・第3巻では、プログラムに置き換えて、実際にコンピュータで動かしてみる。
でも、きっと、売れなかったんだろうなあ。
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