続「先」
アナウンスのことを仰っているので字の話ではないのですが、いじわるなツッコミを入れると、「先の」に頭高はないです
と、涼さんからコメントをいただいたのだけれど、あらためて辞書を見たり、いろいろ思うに「はて?」と思ったのもあって、もう少し続けてみる。
さき【先】3.時間・順序の上で、「前」に位置すること。
4.時間・順序の上で、これから展開する方(にあるもの)。さきごろ【先頃】
このあいだ。さきざき【先先】
1.将来。さきに【先に】(副)
現在をさかのぼるある時点においてそういう事実が有った、ということを表わす。さきほど【先程】(副)
「さっき」の意の、ややかたい表現。せん【先】
1.さき。「祖先・率先・優先・機先」
4.まえの。[「前」よりは、やや堅い表現]「先兆・先蹤・先規・先場所」せんじつ【先日】
昨日・一昨日などよりもさらに少し前のある日。このあいだ。せんげつ【先月】
今月の前の月。あとげつ。←→来月新明解国語辞典第四版
たとえば goo 辞書など見ても、「さき【先・前】」というように、未来をさす場合も、過去のことをさす場合も、「さき」に「先」もしくは「前」の漢字をあてて問題ないと思うし、アクセントはでていないものの、未来をさす場合の「さき」とは変えて読むということは往々にしてあるので、それ自体は間違ってないのではないかとも。あくまで現時点でのわたしの印象ですが。
涼さんも例にあげられた、「前関白太政大臣」にしても、アクセントの位置としては「左記(次に記してあること)」と同じで、「さきの発表によると」とか「さきの決議で」とかも同様のアクセントにすることはあるなと。(少なくともわたしはそう発音する)
もっとも、ふと思うと、あることの前に行われた会見という意味で「先に行われた会見では」とでも言うときのアクセントは、必ずしも同じではないというか、ある意味どちらにしてもあまり違和感がないようにも思ったりする。
では、「さき」と「せん」がそもそもだったのか、とも考えてみたけれど、これは熟語になった場合の読みのアクセント(音訓)にひきずられるだけのようにも思うので、そういうわけでもないかもしれない。
結局のところ、アクセントが違っていないと気持ち悪く感じてしまう場合と、案外そうでもない場合があるようにも思えて、つまり実はどちらでもよかったりするのかもしれないけれど。
まあ、たまにはこうして考えてみるということもよいのではないかということで。
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