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湖中の女

 チャンドラーの再読をゆるゆるとしているのだけれど、これは訳者あとがきにもあるけれど、一番ぐっとぐるものがあるかなあ。ある男から妻を捜して欲しいと頼まれて、行方を捜すうちに湖で女性の腐乱遺体を発見することになり、その後別の男が殺されてと、少なからず関係のある人間の生と死が交錯するなかで、少しずついろいろな過去が浮かび上がってくる。

 とはいえ、それがどうつながってどうなったのかが、なかなか見えてこないまま物語は進むのだけれど、終盤にむけてあーだろうか、こうだろうかと推測していたものの一部は合致したものの、そうきたかと事件の全貌が明かされる様は面白い。

 なんとも余韻のある終わりもいいなあ。

 次は少し先になりそうかな。

4150704546湖中の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
レイモンド チャンドラー 清水 俊二
早川書房 1986-05

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