<世のならい>
今年になってから地元、信濃毎日新聞に連載されている五木寛之の小説「親鸞 激動編」。2011 年 3 月 13 日、日曜日掲載分に以下のような部分があった。
親鸞が都から越後にやってきて、しみじみと痛感したのは、その<世のならい>ということだった。三百年、五百年かかって人の心に根づいたものは、一挙には変わらない。世のならいに妥協するわけではないが、自分の考えを一方的に押し付けただけでは世の中は動かないのである。
自らの考えが本当に正しいのか、あるいはそうではないのか、その点はひとまずおくとして、変えたいと本気で思うのであれば声高にやりこめようとするのでは却って反感を買うというもの。懐柔するわけではないけれど、相手を受け入れることもできずに、相手に受け入れられることもまたないのだということを知らなくてはいけないのだろうなと、ふと思うこのごろ。
| 固定リンク
« メモ:日常の中の非日常 | トップページ | 影日向 »
コメント