いい加減、災害時報道協定を作ってはどうだろう?
大地震がおきて三日目にはいり、連日連夜すべてのテレビ局がずっと災害報道だけを流している。確かに被災地としても、また被災地に友人・知人などを持つその他の地域の人々にとっても、刻一刻とその様が気になるということはまぎれもない事実だろうとは思う。ただ、どの局も競って同様の報道をしているだけでもあり、またそれぞれの取材などによって得られた情報が救援部隊や他局にまで共有されているのかといえば、それはよくわからない。
たまたまテレビを見ていた家族が、その避難所へ赴き、再開することができた例などを紹介もしていたが、それもたまたまその局を見ていなければわからない。地方の場合、東京のキー局分放送局があるわけでは必ずしもないので、チャンネルの数はある程度減るとしても、横断的にすべてを網羅して見ることは不可能で、情報が一元化されない弊害と思ってもよいのではないかと。
これがたとえば、全体的な総合情報としては公共放送でもある NHK総合が、そして教育には子供向けなどをそのまま流してもらい、民放のなかで、安否情報であるとかをいくつかで分担して放送。そしてまだ残っているのであれば、民放としての通常番組を流してもらう(ある程度内容については吟味するとして)。また、各局などが取材は共同で連絡をとって分担しておこない、一箇所にまとめる。それを集約して放送にのせる。これによって、必要な情報がひとつのチャンネルに集中するので、情報を格段に得やすくなるのではないかと思うのだけれど、違うだろうか。
もちろん、そのためには問題もあるだろうと思うけれど、事前に協定をきちんと結び、時々によって役割を回していくことで、たとえば報道を直接担えないといった不公平感は軽減できるのではないかと。そして、そうして分担することで、災害情報が欲しい場所・時間・人々はそれを得ることができ、子供たちのためにはアニメや教育や笑いの番組を与えることが可能になり、ずっと災害報道を見続けずに、少しはホッとできる番組に目を移せる心の余裕といったものが、被災地はもちろん、それ以外の方にとっても得られるのは、災害後の精神的なケアもろもろを思えば必要なことなのではないかと。
以前にもそんなことを書いたのだけれど、これほどの大災害であれば尚のこと、もうこんな各社てんでんばらばらに報道合戦にまい進する姿勢はやめるべきなのではないかと強く思う。
その意味で、河野さんの実感された意見は至極まっとうだと思うし、直接被害もない遠隔地の人々にとってなどは、むしろ日常を続けることこそ大切な役割なのではないかとも。もちろん、被災地への配慮はなくしてはならないことであるし、なにかしたいと思うことは悪いことではないけれど、この惨事の直後、いまだ救助活動ですらまともにままならない時点で、わたしたちの多くにできることなどはっきりいって何もない。物資を勝手に送るのは迷惑なだけ。義捐金や支援金にしても、いますぐ必要なわけではない。
そもそもこの状況でツイートしてるような人は安全な電気も電波も確保された場所にいるわけで、そんな人たちが必死になってデマかどうかもわからない情報を流したり、誰に届くかわからない寄付を薦めてる(なんでアバターやアイテムを買う必要があるの)。 こんなのはなるだけ一元化したほうがいいと思う。寄付額を競いあっても意味ないんだし、国がまとめて受け付けて、その情報を拡散すりゃいいのに。(地震のこと | smashmedia)より
テレビもNHK以外は普通の番組編成に戻せばいいのにと思う。あるいは子どもが見れるように日テレは一日中アンパンマンを流すとか、テレ朝はドラえもんを流すとか。同じ情報を競って報道しあうんじゃなくて、みんなで分担してクラスタごとに必要な情報を流して救えばいい。(地震のこと | smashmedia)より
必要なものは時々刻々変化していくわけで、それもとてつもない大量の物資を求められるのだから、基本的にメーカーや企業に担ってもらうというのが望ましいのだろうと思う。わたしたちがまず行えるとしたら、そうしたメーカーなどの持ち出しとなる費用に対して金銭的な支援をすることが、あるいはあるかもしれない。とはいえ、それすらも急がなくてはならないことではないはず。
この土日の過ごし方の”ある提案”というのは、まさに意を得ていて、時として何もしないこともまた支援として必要なことといっていいのかもしれない。ここぞとばかりに、痛いところをついて自らの主張をぶつけるのも、なんだか国会議員の無益な抗争を見ているかのごとし。知るべきことはきちんと知って、本当に為すべきことをひとりひとりが考えなくてはいけないのだろうな。
節電については、残念ながら協力したくても現実的に協力が無理な事情もあることを理解したうえで、無駄にエネルギーを消費しないという観点から、節約することに意味がないわけではないので、行うことはよいことだと思う。そして、皆がそういう気持ちでいてくれるというのは、当該地域において非常に勇気にもなるものだと思いたい。
幸いにして、14 日月曜日から NHK教育では、一部ではあるけれど通常の番組に戻されるそうだ。民放でも一部そういう動きになるかもしれないが、すでにお涙頂戴のドキュメンタリー番組かという編集のされかたが目立ってきていて、いささかきな臭い印象も。それはそれで事実であるし、全面的に悪いとは言いたくないけれど、求めているのはそういうものではないのではと。ワイドショーはむしろ不要な時期だと思うのだけれど、無理なのだろうなあ。
地震のこと | smashmedia
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