米朝ばなし 上方落語地図
![]() | 米朝ばなし (講談社文庫) 桂 米朝 講談社 1984-11-12 by G-Tools |
先日の東京23区の地名の由来の本を読んでいて、ふと思い出したのだった。そういえばまだ途中だったはずだが、どこにやったかなあと。購入したのはもうずいぶんと前。FADV 時代に教えてもらった本。タイトルだけ見ているとなんだか危ない政治の話みたいだよね、という感じも好きだったなあ。
で、この手の短い文章がたくさん集まったものは、ちょっとした合間の時間に読むのに適しているので、そうした出かけた合間にでも読もうかなどと思っていたのだった。で、出かけることがなくなってしまってから、さてどこにしまってしまったものかと、すっかり忘れていたのだった。ようやく思い出したので、見つけ出してきた。
地名の由来の本というわけではなく、京・大阪方面の地名にちなんだ上方落語を紹介するという趣旨。近年の NHK 朝のドラマ「ちりとてちん」でもなければ、自分も含めて多くの人にとっては、上方落語というのはなじみの薄いものだったのではないかと。そんなこんなも含めてざっとあらすじを紹介しつつ、地名についてのちょっとしたメモも付け加えられている。
いまではサゲがよく理解できないようなものについても解説されていたりして、なるほどと理解するとともに、やはり古典の場合にはだんだん面白みを伝えることが難しい時代になってきているのだなあと、思ったりもする。
ふと、枚方のところを見ると、
昔、バクチで勝ち逃げするヤツを”枚方”と言うた。これは、それまでバクチをしていてずっと勝っていたのが、大阪まで続けると負けるな、と思うと、途中で逃げる。「枚方で降りまんねん」と言われると、とめようがない。それで勝ち逃げするのを枚方、そんな言葉が出来ていたくらいです。
などと書かれていたりして、へえと思ったり。川舟に乗っている間にバクチをしていたらしい。
丸竹エビスに押し御池、姉さん六角、タコニシキ・・・
なんかが京のほうではでてきて、そうそうと口をついたり。やはり子供には無条件に丸暗記させるのが吉だよねえなどとも。
いまではやらなくなったネタであるとか、高座にはかけられないのだという艶笑譚であったりとかも、さわりだけではあるものの紹介されていて貴重かも。こういうところでも残すということが必要な時代になっているのだろうな。
折角なのでぼちぼちと、それでもしっかりと読み終えてしまうとしようかと。残りはわずか。
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