地方出版物と電子書籍について、すこしだけ考えてみた
すでに昨年のことになるのかと思うのだけれど、「ワンと鳴くカエル」といった検索がたびたびあって、なにかなあと思っていたのだけれど、その後リファラを確認したら、なんとカエル館のページからリンクされているのだった。ありがとうございます。
しかし、本の感想はわたしのだけで、ほかには感想をウェブにあげている人が見つからないのか。確かに検索してもでてくるのはテレビ番組の感想ばかりの様子。話題になるのはよいのだけれど、テレビというのは結局そうした一過性で終わってしまうからなあ。いや、本は違うというわけでもなく、ただ、たとえ地味でも継続の可能性はあるかもしれない。
といって、地方の小さな出版社(失礼)による出版物では、全国に知られるということはなかなか難しい。おそらく初刷りだけという現状ではなかろうかと。流通させる方法そのものはあるにせよ、知られるというにはなかなか厳しい。
そこで電子書籍ですよ。と、単純に考えてはいけないわけで、むろんそうすれば入手のたやすさはあがるけれど、認識される認知される率をあげるというのは、やはり問題。まして、大手の玉石混交の巨大ネット書店システム(特定のネット書店というわけではなく、そういう大きな仕組みの中でという意味で)において、存在を示すというのもまた難しい。
一部の出版社では「すわ電子書籍」というわけで、さっそくに iPad 版を出したものの、一冊だけにとどまっている様子。大手出版社の著名な書籍ならいざ知らず、地方の出版物では埋もれてしまってなかなかその存在など知られないだろうなあ。
いっそ、地方小出版流通センター(リアル書店への流通に寄与している)で、地方出版社の電子書籍を扱うサイトを用意して、そこで一括して紹介、販売を行えるようにでもしたらどうだろう、などと妄想してみた。個々の出版社がそれぞれにウェブサイトを持つところもあるけれど、小さなところだとないところもある。まして販売システムを用意してとかいったら面倒なことで、そうしたことを一手に引き受けてくれて、なおかつそうした地方出版物がそこにまとまっているというのは、ちょっとしたメリットにならないかなあと。
もちろん、それだけで目に付くようになるとはいえないし、アピールというのは必要になるだろうけれど。ことに絶版本をそうして永らえるということは、小さな出版社にとってもメリットはあるのではないかと。新刊だって刷り部数の少なさを補完できる可能性も持っていないかなあとか。
消えていってしまう地方のすぐれた書籍を残していくという意味においても、なにかしらできないかなあと一草舎のページなどみながら、ふと思ったのだった。微力ながらお手伝いできることがないだろうか、などと。
ちなみに、「ワンと鳴くカエル」の一兎舎さんも、ホームページは作られていない様子。
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