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さらば愛しき女よ


415070452Xさらば愛しき女よ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-2))
レイモンド・チャンドラー 清水 俊二
早川書房 1976-04

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 冒頭からなんだかいいようにもてあそばれて事件に巻き込まれ、なんとも頼りなさそうなマーロウ。出所したと思ったら昔の女を捜して、いきなり殺人を犯してしまった大男と関わることになってしまうのだけれど、その後は不思議な依頼を受けたりしていて、なんとも事件の進展が見えないようになってくる。

 出てくる人物がすべて怪しく見えてきたりするなかで、ついには殴られて、薬まで打たれておかしなところに半分監禁状態にされてしまったり。もうろうとして回らない頭で考えて、力のはいらない体で行動して。なんとも冴えない風でもあるのだけれど、それでいてそのまま倒れこむわけではなく、すぐに動きだすあたりはタフというかハードというか。

 ただ、ほとんど終盤まで事態がどうなっていくのか見えない状況で、あちこちに散らばっている大小さまざまな歯車が、終盤になって一気に形をなして動き出すあたりは、なかなかいいねえと思わせる。

 粋な台詞というか会話も面白みのうちなのだけれど、残念ながら日本人にとっては少々なじめないところもあるような気がするので、そのあたりは今ひとつ入り込めないのが残念というか悔しいというか。

 ちょっと時代は古くなってしまっているかもしれないけれど、しゃれた、ある意味ソフトなハードボイルドを楽しめるのは確かか。再読してみると、なんとも新鮮な気分になったのもうれしい発見。


 そういえば村上訳がでていたのだったな。いずれは読み比べてみたい。

4152090235さよなら、愛しい人
レイモンド・チャンドラー 村上春樹
早川書房 2009-04-15

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