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プレイバック


4150704538プレイバック (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-3))
レイモンド・チャンドラー 清水 俊二
早川書房 1977-08

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 NHK の 10 年先ドラマも無事に放送が終了し、で、ついつい久々にチャンドラーでも再読しようかということで掘り出してくる。が、見事に内容は忘れているなあ。ノートにメモしてないからかなあ。

 ということで、まずは「プレイバック」。いや、これが遺作なんだから「まずは」などというのは妙なものなのだけれど。で、どうもそれまでの作風とは違うとか、いろいろ謎が多い作品だという評価があちこちにあるということで、実際どう違っているかはそれ以前を忘却している以上わからないのだけれど、確かに雰囲気が違うというのは感じる。

 出だしは割りと普通。それが、次第に物語としてきちんと成立して終わってくれるのだろうかと不安になるような展開だったり文章だったり。チャンドラー自身になにか問題でも起きていたのだろうかと疑いをもちたくなるくらいに、なんだか奇妙な印象の物語が続く。

 それでいて結末は割りときちんとしたもので、それなりに終わる。いやまあ、きちんとしているというにはやや難がないわけではないのだけれど、全体の奇妙さを思えばそれでも十分というところに落ち着いている感じ。

 なんともジメッとした感じや、暖かいのか寒いのかわからないような空気を感じる作品。艶っぽい話かと思えば、そうというばかりでもない。さながら夢うつつのプレイバック。これをどう評価したらよいものやら。

 ひとまずは、ほかも再読してみるという方向で。

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