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 「世にも奇妙な物語」が 20 周年ということで、著名な作家による不思議な物語をドラマ化して放送したので、いつになく興味をもってみた。総じていうと、半々くらいな感じでよくもあり、いまひとつでもあり。

 京極夏彦はネタもわかりやすくて、どうもいまひとつな感じ。万城目学はなかなかひねりがきいていてよかった。東野圭吾はさすがといううまさで一番くらいの出来。宮部みゆきはちょっと中途半端に終わってしまった感が。

 そして朱川湊人。ネタとしてはさながらジャック・フィニイの「ゲイルズバーグの春を愛す」所収の「愛の手紙」みたいなもの。古書店のある本にはさまれた栞を通して文通をするが、相手はその本の著者で特攻ですでに亡くなった人だったというもの。

 が、見ていてなんとも気になったのは、いよいよ出撃ですということで最後のメッセージを残すのだが、そこで金木犀の花が咲き始めたと書いていること。Wikipedia によれば、「海軍の神風特別攻撃隊の初出撃は1944年10月21日」とあるし、陸軍についてみても、10 月下旬にフィリピンに到着し出撃そのものは 11 月 7 日だったとある。

 一方で金木犀の花の時期は、9 月から 10 月とされていて、どう考えてみても咲き出した時期に出撃命令がでたというのはちょっと考えにくいかなあと。イフの世界とはいえ、架空戦記というわけではないのだから史実に合わないのはちょっとよろしくない。

 まあ、シチュエーションとしてはそのほうがグッとくるのは確かなのだけれどね。原作は読んでないのでなんともいえないのだけれど、ドラマとしてはそのあたりにちょっと疑問が残ってしまった。

 ちなみに、「ゲイルズバーグの春を愛す」はユーモアと哀愁の漂う、珠玉の名品集です。

4150200262ゲイルズバーグの春を愛す ハヤカワ文庫 FT 26
ジャック・フィニイ 訳:福島 正実
早川書房 1980-11

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