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Avast恐るべし

 そろそろウィルス対策ソフトの更新が近づいてきて、今回はちょっと替えてみようと思っていたところで、こんな記事を見る。

 [ 2010年上半期の最強アンチウイルスソフトが決定 - GIGAZINE ]

 意外なくらいに Avast Free の成績が高い。いや、意外といっては失礼なんだろうけれど、フリーでもこれだけ性能がしっかりしているならいいよねえと、ふと思ってしまう。もちろん、他のソフトはウェブアクセスなどのいろいろの対策なども含まれていてという状況なのではあろうけれど。

 それでも、まだしばらくあるというのもあり、ウィルスバスター 2011 クラウドにアップデートしてみた。どうせなら使ってみるってものだし。確かに 2010 よりも何割か軽くなっているようではある。もっとも、以前からさほど速度(PC そのものの速度能力は別として)に不満があったわけでもないし、機能に不満があったわけでもない。更新料も冷静に考えれば年 5000 円程度というのは、決して高すぎるというわけではないのだと思う。いろんな生活のなかの料金を思えば。

 とはいえ、できれば安くても済むならそのほうがうれしいなあというのはあって、次回はウィルスセキュリティゼロにしてみようかと思っている。先のランキングとか、ソースネクストのサイトでの類似の結果とかだと、さほど悪い結果ではないらしい。ちなみに K7 とかいう会社で作っているソフトらしい。

 仮に使ってみて、気に入らないようでも、1980 円なら一年くらい十分に許せる価格じゃないかなと。いきなり Avast Free でも、Windows Defender もあるからいいかなとも思うものの、それは予備機に適用してみようかと。

 考えてみると、昨年 Windows7RC を試したときに入れたのが、Avast Free だったなあと。まあ、もうしばらくはバスター君のお世話になるということで。

B003Y5I49WウイルスセキュリティZERO 1,980円
ソースネクスト 2010-08-04

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上手に人を殺すには


4488261051上手に人を殺すには (創元推理文庫)
マーガレット・デュマス 訳:島村 浩子
東京創元社 2010-08-21

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 本が好き!経由で献本していただきました。ありがとうございます。

 正直なところ、不安もあったのだった。帯の惹句にしても「お熱い新婚夫婦と友人たちの危なっかしくも痛快な探偵活動 セレブ探偵第二の事件」などと書かれていては、痛快などと書かれていても、こういう文句はあてにならないことも多い。まして、セレブとはどうなの? と。

 どれほどセレブかといえば、「人生を数回生きても使い切れない」だとか、「小国の財政をまかなえるほどの」財産があるとか。生活にはまったく、まったく困ることなどないし、働く必要なんてものとも無縁。いやまあ、働いていないってほどではないにしても、実質的には道楽程度なので、そういっても過言ではないというレベル。そんな人物が主人公で探偵をすると聞いて、面白そうと思うか、はたまたなんだか興醒めと思うか。

 実際、舞台が IT 企業で、そこに潜入するという設定でなければ、まず手に取ろうと思わなかったかもしれない。そもそも前作である「何か文句があるかしら」は、そんな理由もあってパスしていたような気がする。

 ところが、読みはじめてみると、どうも少し様子が違う。いや、設定はまったくもってその通りなのだけれど、物語の雰囲気や小説としてのリズムはなんとも心地よい。確かに主人公のチャーリー(女性)はとてつもないセレブで、世間知らずなところはあるものの、それを鼻にかけているという性格ではないし、ユーモアのセンスもあってむしろ普通に世間にいるちょっと愛すべきお嬢さんというところ。

 たまたまセレブではあるけれど、ただそれだけという感じで嫌味がないのは、設定の技というよりも、著者の文章の洗練さであったり、ウィットに富んだしゃれた会話のセンスといったものによっているのではないかと。だから、読んでいてなによりも楽しい。セキュリティ調査を専門とする夫ジャックとの新居には、もうずいぶん経つというのに家具らしい家具がまったくないという有様で、それは単にどんな部屋にしようかと迷っているからというのもセレブらしからぬところ。

 いや、金はいくらでもあるから、とことん凝るということは当然あるとして、だからといってなにもないままというのは、むしろ貧乏性みたいなところじゃないかと。

 物語の展開もスマートでありながら、読者をドキドキさせる頃合も心得た感じでなかなかうまい。そして、文章をはじめ会話のしゃれたところががっちりと読者をひきつける。さらに、大人で上品なお色気も。

するとジャックは声をあげて笑ったけれど、ほかにもっと気持ちいいこともしてくれていたので、わたしは目をつぶることにした。(P.258)

 ただ、ミステリとして考えたときに不満がないわけでもない。冒頭、ジャックらは仕事の依頼人である IT 企業の CEO モーガンとの話の際に、急死した婚約者は殺されたのだとして本来の件とは別に調査を依頼するのだけれど、ジャックはセキュリティ関係の調査仕事を依頼されたもので、探偵業をしているわけではない。にもかかわらず殺人事件に関する調査を依頼するのはちょっと無理があるかも。頼れる人がほかにいないというのかもしれないが、そこまで知己の仲とも思えない。

 また、ミステリといっても謎解きのためのものではなく、展開そのものを単純に楽しむというスタイルなので、それを期待している読者にはやや不満はあるかもしれない。謎解きのためのヒントが必要十分に開示されてという類のミステリではない。解決そのものはまあそんなものかなと思うのだけれど、そこへ至る過程はやや無理があるようにも思う。

 もっとも、だからといってつまらないというわけではなくて、謎解きはもはや関係なく、展開を楽しむ、会話を楽しむという作品なのだ。そして、それは十分すぎるほど成功している。420 ページあまりの長さにも関わらず、ひとたび読み始めたらすいすいとページが進んでいることはまず間違いない。著者がソフトウェア会社の重役ということもあって、IT 方面の描き方も決して妙なものにはなっていない(と思う)。

「気づいたんだけど、コンピューター技術者って、ふつうの人が“ほとんど”って言うところで“事実上”って言うのよね」(P.223-224)

 軽いミステリを楽しみたいけれど、既存のコージーミステリみたいなあまりに現実的な、日常的な物語よりも、現実的ではあるけれどもう少ししゃれた大人なセンスの漂うミステリを楽しみたい。そんな世界を味わえる珍しい作品といっていいかもしれない。


 一作目はこちら。でも、三作目はまだ書かれてないとか。当面はここまでかあ。

4488261043何か文句があるかしら (創元推理文庫)
マーガレット・デュマス 訳:島村 浩子
東京創元社 2009-06-25

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上手に人を殺すには
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  • 東京創元社
  • 1218円
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書評

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文豪mini5Hの頃

 昔むかし、あるところに文豪 mini5H というワープロ専用機があったそうな。パソコンというものでもワープロソフトというものを入れて使っていたそうじゃが、なかなか誰でも使いやすいということではなかったようで、電源を入れたらワープロとして使えて、比較的操作がわかりやすいということで人気を博した時代じゃったらしい。

 文豪だけじゃのうて、書院だとか、ルポだとか、いろいろ人気をわけた仲間たちがおったものじゃった。なかには年賀状書きに特化したようなものもおったそうじゃ。

 「ワープロ(専用機)があればパソコンなんていらん」という爺さまや婆さまも多かったそうで、たくさんの機械が作られてそれはにぎやかだったそうな。

 ところが、次第に個性を狙ってか、いろいろの機能がワープロ専用機にも加わるようになるにつれて、もはやパソコンとの境目がようわからんようにもなっていったのじゃった。住所録の管理や表計算、画像処理に通信。そうはいっても、当時のちいさな体にはいささか無理がたたっていったようにも思い出されるのじゃ。

 そんなわけだったか、はたまた Windows95 ちゅうやつの登場がきっかけだったか、ようはわからんが、それからしばらくしてワープロ専用機の時代はふっと消えていったのじゃった。えらくさみしい終わり方じゃったが、時代の終わりとはそういうもんじゃ。

 けれども、そんなワープロ専用機にふしぎな光があたった時代もひところあったのじゃよ。まあ、文豪 mini5 シリーズ限定という話ではあったわけじゃが。実は、こいつらは正体を知られてしまったのじゃよ。ワープロ専用機とはいっても、もとをただせばパソコンと同じじゃ。専用のワープロプログラムを組み込んで、ワープロとしてだけ使いやすく作られたパソコン。そんなことは誰だってわかっておったじゃろうが、いかにもパソコンらしく見せようとしなかったのが、ワープロ専用機だったのじゃ。

 ところがじゃ。文豪 mini5 シリーズはうっかりその正体を見破られてしまったのじゃよ。ぬかったのか、はたまた設計者の遊び心じゃったのかはようわからんが、とにかくパソコンとしての裏の姿をさらされてしまったのじゃ。困ったことよのう。

 それがすなわち CP/M というオペレーティングシステムの世界じゃ。起動の仕方によって、ワープロ専用機ではのうて、裏に隠れた真の姿である CP/M 、すなわちパソコンの姿で起動できるということに、一部の人々が気づいてしまったのじゃな。ひとたびこうなってしまえば、新しいおもちゃを手に入れた大人よろしく、あれやこれやと解剖されていってしまう運命を背負うことになったのじゃよ。

 そうはいっても、もともとがワープロ専用機として設計されたものらじゃ。メモリも少ない、CPU だって決して高速なものではない。フロッピーディスクはついているが、ハードディスクがつくわけではない。画面も次第に広くなってはいったものの、そうそう広くばかりもできんわなあ。ところが、そうした勝手連にとっては、むしろそうした不便さこそが楽しかったようじゃ。不便であるからこそ、いろいろ工夫のしがいがあるというのじゃな。さながら、それは、パソコンがまだまだ今よりもずっと不便だった時代の試行錯誤しながら使っていた時代を思い出させるようなものだったのかもしれんのう。

 ついには、MS-DOS が移植されるまでになると、その熱はいっそう増していったものじゃ。そうした先進的な勝手連は、ひそかにメモリの増設までしておったのじゃよ。内部解析をするもの、さまざまなアプリケーションプログラムを作るもの、もはやワープロ専用機という認識ではなく、いじりがいのある珍しいパソコンを手に入れた、そういうなんとも不思議な活気にあふれた時代じゃったのう。

 実際 MS-DOS 3.1 など移植してみると、あまりのワークエリアの小ささに、とてもなんらかのプログラムを動作させられるという代物では、残念ながらなかったのじゃ。そこがワープロ専用機として設計された哀しみじゃのう。メモリ増設という手もあるにはあるが、なかなかそれはハードルの高いものじゃった。なにしろ当時のことじゃ。パーツの入手も困難。また増設しようにも容積的に簡単ではなかったようじゃ。実現されていたメモリ増設方法は、親亀小亀方式で建蔽率違反だったそうじゃ。

 まあ、それでも CP/M で使うことだけを考えれば、60.5KB のメモリ空間を持つ立派なパソコンじゃったし、なにより余計なことは一切不要でそうした環境がそこにあったわけじゃ。それは利用しない手はあるまいて。

 当時のノートパソコンは、ようやくラップトップいうジャンルが登場したころで、ちょうどハンディワープロ専用機がその実験場みたいなものだったかもしれんのう。大きさも似たりよったりじゃった。ワープロ専用機と違ってパソコンはそれなりの機能をあらかじめ持っておったので、大きさとしたらワープロ専用機と同じほどでも、プリンタなどまで組み込む余地はなかったのじゃな。となると、一台でデータの保存から、印刷までこなしてくれるというのはちょっとした魅力でもあったわけじゃ。

 そこでわいたのがとある競技会の成績集計に利用することじゃった。夜間行われるそれは競技運営をしたあとで、ほとんど徹夜状態で成績集計をおこなわねばならんのじゃ。計算そのものは頭でもできるものであるし、電卓を使っても問題はないのじゃが、いかんせんやや寝ぼけた頭で計算するのはなかなかの苦労じゃった。人海戦術で計算するものの、競技会本番そのものよりも精神的な疲労は大きかったかもしれんのう。

 結果的には、実際使われることはないままに終わったわけじゃが、8080 アセンブラで書かれたプログラムは文豪 mini5H だけできちんと動作したものじゃ。見た目は悪いが結果の印刷にも対応しておった。当然ながら、順位計算もお手の物じゃったし、なにより少ない人数でも短時間で計算が終わることじゃったろう。液晶画面もそれまでに比べて格段によくなって、全角 40 文字× 11 行と、当時としてはなかなかの広さじゃった。

 しかし、時代はすでにノートパソコンが普及しはじめ、エクセルなどが便利に使えるようになったために、それらで代用することが多くなってしまったわけじゃ。もちろん、専用のソフトのほうがはるかに使い勝手はよいじゃろうが、もはや時代がワープロ専用機ではなくなってしまったということが、一番の要因でもあろうの。本体はともかく、印刷のためのインクリボンカートリッジは最早入手困難になってしまうのは必定じゃ。プリンタだけ別でもよいが、それならばパソコンでも同じことじゃからのう。

 そうして文豪 mini5 の時代も去ったわけじゃ。

 今となっては世間にどれほど生き延びておるかもわからん。もっとも、CP/M のエミュレータや、MSX エミュレータがあれば動かすことは可能じゃ。ただ、その実装状況などによっては、なかなか思うような実行環境というのは難しいのじゃが。

 そうそう、実行環境ということでいえば、開発環境であった PC-8801 という環境でもよいわけじゃがな。文豪ではさすがに大きなものの開発は不便じゃからのう。しばらくぶりに 88 が日の目を見た舞台でもあったわけじゃ。もっとも 88 とて、もはや現役をというのは厳しいものがあるじゃろうが。

 今なら、ウェブアプリケーションにでもするというところじゃろうか。今、競技会ではどうしておるのじゃろうかのう。

 過ぎ去った時間は戻らぬものじゃ。そうして、さまざまなものが終わっていくわけじゃ。諸行無常というものかのう。

 文豪 mini5H よ、安らかに眠っておくれじゃ。

4899771614古典電脳物語―8085,Z80,CP/M,タイニーBASIC…
鈴木 哲哉
ラトルズ 2006-07

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43時間

 namazu でのインデックス作成は、結局 43 時間ほどかかった。あとから調べるといろいろやりようはあったみたいでもあって、まあでも今更。静かなノートだから寝ていても気にならなかったし、まだよしということで。

 これでようやくきちんと検索できるようになった。

 こっちは 48 時間だったなあ。

B000EWBUP848時間 [DVD]
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン 2006-04-21

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オレンシア発売

 [ 17日付薬価収載受け、各社が新発売::薬事日報 HEADLINE NEWS ]

CTLA4‐Ig製剤「オレンシア点滴静注」‐ブリストル・マイヤーズ

既存のRA治療薬が炎症性サイトカインを標的としていたのに対し、オレンシアはRAの病態の上流に作用し、炎症性サイトカインを産生させないようT細胞の働きを調節する。

薬価は、5万3467円。

 このところ薬価を気にして検索されている方が多いので、メモ。とはいえ、生物学製剤はおおむね同じ価格設定になっているようなので。

 [ 関節リウマチ治療薬「オレンシア®」新発売について::プレスリリース::ブリストルマイヤーズ スクイブ ]

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namazuにはまかれろ

 tDiary の検索用に namazu をインストールしてみてから、ちまちまとインデックスを作ってきたら、対象ファイルが極端に少ないことに気づき、生成したときの対象ファイルままが残っているだけなのか、と今頃わかった。 6 年分ほどあった日記データなので一度にやるには時間がかかりすぎるので、分割すればいいじゃないかと思っていたのだけれど、失敗。

 いや、ことによるとパターンの指定の仕方を工夫したら順次ということでいけたのかなあとも思うのだけれど、仕方ないということで、作り直しをはじめたら 24 時間経過してもまだ終わらない。それどころか 30 時間あまりかと思っていた当初の見込みよりもさらない長くなりそうな気配まで。

 ところが、調べてみたら -s オプションをつけるとよかったのかも、ということが見つかったりして、といって今更またやりなおすなんてことはしたくないので、もうあきらめて最後までいくしかないなあと。省エネなノート PC だからまだいいけれど、これほど長い時間連続稼動させるのもはじめてで、「おまえ、大丈夫なのか?」とちょっと不安に思ったりも。けなげに耐えてくれているけれど。もう少しかんばっておくれ。

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インターネットタイムラグ

 ココログからコメントやトラックバックの通知メールがくる。でも、どう見てもスパム。ということで、削除しようとやってきたら、当該コメントがない。

 メールの日付を見ると、なぜか二日も前。そういえば先日なにかを削除した覚えが。もちろん、それは通知のなかった分なのだけれど。

 二日も遅れて届いたの? まあ、本来そのくらいのものなのかもしれないんだけれど。(瞬時に届いて当たり前のように思ってしまっている現実のせいかしらん)

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書籍索引生成を Ruby1.9.2 へ

 書籍索引を作っているプログラムを 1.9.2 用にしようということとあわせて、「リファクタリング: Ruby エディション」の実践もかねて”配列からオブジェクトへ”とか、”コメントを書きたいと思ったらメソッドに”とかを試してみることに。で、確かにオブジェクトにしておくと扱いが格段に楽になるということもわかったし、かといって配列使っていろいろしていたのがまったく不要ってことでもないかということも感じたり(不要だったら、そもそも存在させないだろうし)。

 で、多少の試行錯誤はありながらも動くようになったので、以降の生成は 1.9.x で。

 条件式ではなにをしているのかわかりにくいのをメソッドにするというのも、なかなか読みやすくするなあと感心。今頃になって tr でマルチバイト文字はきちんと対応されていないということに気づいて(期待通りに動作する環境もあるってことかな?)、そのあたりを書き換えたりとか。オブジェクトの扱いについてもいろいろ学ぶことがあって有益だったなあ。

 やっぱりお薦め。

4048678841リファクタリング:Rubyエディション
Jay Fields Shane Harvie Martin Fowler Kent Beck 長尾 高弘
アスキー・メディアワークス 2010-02-27

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不正

 地図ソフトを使って、不正な通勤手当申請を摘発とかいうニュースがあったらしいのだけれど、それってちょっと違うような気もすると感じた。例として、自転車で最寄の駅までが 2.3km と申請されていたのに、地図ソフトで最短距離を調べると 1.7km だったというのだけれど、それは本当に不正のためだったのかどうかと。

 どんなソフトかはわからないけれど、まずもってそれが道路の距離として、正確にルートの最短距離を計算しているのかどうかということもあるし。ものによっては単純に直線距離でしか見ていないかもしれない。

 仮に、しっかりと道路の最短距離を計測できたとしても、それが不正を働こうとしたものかどうかは一概に言えないのではないかな。2.3km という数字はあまりに具体的なので、感覚的にこのくらいだと思うというのとは違うかもしれないけれど、多くの場合はまず厳密に計測したりではなくて、だいたいこのくらいという数字にすることはあるんじゃなかろうか。そして、あまりにかけ離れているのでなければ、そのあたりは許容範囲ってことで処理していることは少なくないようにも思う。

 さらには、自転車ということで、最短ルートをあえてとれない(とらない)という事情だってあるかもしれない。道路事情に不便があって(自転車的にはという意味で)、やや遠回りではあるもののそちらのルートを通っているということは十分考えられる。信号の状況であるとか、歩道の状況であるとか(もちろん、自転車は原則車道通行であるのは前提としてだけれど、通行可の場所も条件もある)。

 そうした不正のためにという事情でないものまで十把ひとからげで捉えてしまうのは、ちょっと違うような気がする。

 本当に正すべき不正ってのは、もっとほかにあるんじゃないかなあ。

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たまたま?

 1.9.2 もでたのでいい加減 1.8.7 から普段使いを移そうと思い、普段使っているものを試している。ほとんどは、マジックコメントをいれれば済む程度なのだけれど、なんだかエラーが出たので調べていて、いまさらながらの事態にびっくりした。

incompatible character encodings: Windows-31J and Shift_JIS

 ということで、はじめは coding: SJIS にしていたのを(きむらさんの意見をとって cp932 にしていたはずなのに?)、Windows-31J にしたらひとまず動作したので、よしよしなどと思っていて結果を見たらとんでもないことになったのだった。

 str.tr!("ァ-ン", "ぁ-ん") なんてことが 1.8.7 では期待したとおりに動作していたのだけれど、1.9.2 でやったら”も”の後あたりからおかしなことになってしまう。結局、あとになって「Ruby レシピブック 第2版」を見ていたら、

trメソッドはマルチバイト文字に対応していません。(P.86)

 との記述が・・・。

 そもそも期待通りに動作していたことのほうが、たまたまだったのだか、なんだったのだか。とにかく、これはいけないということで、なんだか久しぶりにコードを書いてみているという。ひとまず「ひらがな・カタカナ」の相互変換はできるようにしたのだけれど、もう少しだなあ。

#それともそんなものはもうどこぞにある、なんてことだったりして。ま、折角なので学習、学習。

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しあわせ猫ちぐら


477270485Xしあわせ猫ちぐら―猫と人とふるさとの写真帖 越後せきかわで、こんだニャンコと人におだよ。
五月書房“猫ちぐら”編集部 新潟県関川村・猫ちぐらの会
五月書房 2010-08-06

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 本が好き!経由で献本していただきました。ありがとうございます。

 巻末の地図を見ると、関川村は下越地方新潟県の北の方にあたるようで、そういう意味では接点がないのだけれど、長野県の栄村あたりでも同様に「猫つぐら」が作られていたはず。関川村でも地元ではあくまでも「猫つぐら」と呼ばれている。巻頭で村長さんが書かれているけれど、「ちぐら」は標準語とのことで、確かに元来は田畑の仕事の際などに赤ん坊を入れておくために用いられていた。くるみこむように丈夫に編まれた赤ん坊用のザル状のものといえばわかりがよいかもしれない。

 たまたま、先日放送の NHK 土曜時代劇「桂ちづる 診察日録」でも、同様のちぐらと思われる籠に赤ん坊を入れていて、不思議な偶然を少しばかり思った。

 おそらくここ 10 年くらいに、猫ように作られた「猫つぐら」が知られるようになり、そうした山郷でもそれを利用して村に活気をという動きが見られるようになった。関川村もちょうどそうしたひとつらしい。奇しくも同じ形状であるが、どちらかかで出来上がったものが広がったのか、はたまたいずれでもないところから広まったのかについては寡聞にして知らない。けれども、どこがはじまりなどということは抜きにして、赤ん坊への需要が減っても、それを身近に暮らす猫に対して与えるというやさしさと愛情はなんとも温かい。

 そんな猫つぐらと猫の写真や、村の人々の明るく暮らす姿、村の行事などの写真とともに、村のことばがつづられている。そのどれもが、なんとも愛らしい。今、小さな村の生活はさまざまな意味で決して楽ではないと想像するのだけれど、人に対しても猫などの動物に対しても、むろん自然に対しても、人々の関わり方はとても温かみを感じるし、明るい。

 猫つぐらを通じて、そんな村の息吹が伝わるかのよう。

 新潟県と長野県(特に隣接するという意味においては、北部において)は文化的な関連もなかなかに深いと思われるし、方言などにも類似性がみえると思う。

 関川村の「おなごしょ」は北信では「おんなしょ」だったり、「なんして」は「なして」だったり、「しょした」は「しょうしい」だったり。「こね」はやっぱり「こね」だし、「つぐら」は「つぐら」だ。「ぬぐだまる」はちょっと違うが、「のふたまる」あたりだろうか。

 けれど、関川村とはやや距離があるというのが、なかなか興味深いところかもしれない。

 村の方言簡易辞典のようなつくりであることを思うと、できればここは標準語の「ちぐら」ではなく、「しあわせ猫つぐら」と、あくまでも方言でまとめていただきたかったという印象もあり、そのあたりはちょっと残念な気持ちもする。

 とかく猫は狭いところが大好き。お宅の猫にもおひとついかがですか。(グスタフやドーラにどうでしょう、たださん。とか)





しあわせ猫ちぐら―猫と人とふるさとの写真帖 越後せきかわで、こんだニャンコと人におだよ。
  • 五月書房“猫ちぐら”編集部
  • 五月書房
  • 1575円
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書評

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2010年宇宙の旅


41501173302010年宇宙の旅〔新版〕 (ハヤカワ文庫 SF) (文庫) (ハヤカワ文庫SF)
アーサー・C・クラーク
早川書房 2009-11-30

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 映画「2010」を見たのをきっかけに再読してみた。といっても、正直なところまったくといっていいほど覚えていなかったので、はじめて読んだような印象。発売まもないころにハードカバーで購入し、確かに読んではいるようなのだけれど。

 映画は時間の関係もあるのか非常にシンプルで、あまり見ごたえのないものに感じた。さすがに木星を太陽にしてしまうあたりの映像化は迫力もあるし、印象には残るのだが、それ以外の部分はあまり物語がない。ハル 9000 の修復過程や、なぜ不可解な行動をとったのかという理由は一応説明されるものの、まあその程度。

 一方で小説のほうは、ずいぶんと話が異なっていたりする。物語としてはこちらのほうがずっと変化にもとんでいるし、面白い。映画にはない中国の宇宙船が先にエウロパに着陸して中国領を宣言したり、宇宙船内でのラブロマンスがあるかと思いきや、フロイド博士にとっては離婚の危機を迎えたり。

 ディスカバリー号との接続に関しても差異があって、映画ではワイヤーによる誘導路といった感じだったけれど、小説ではフレキシブルなチューブで物理的につないでいるようであったし。映画では米露関係が悪くなり、戦闘状態になったかのようだったけれど、小説ではそうした展開は一切なし。マックスが巨大なモノリスを探査に出かけていって死亡するということもない。

 最終的に木星系から脱出する期限についても、ずいぶん短く設定されていた映画とは異なり二週間あまり期間があったり。ボーマンの登場についてもだいぶ違いがある。離脱に向けてのシーケンスでハルが疑問を呈する場面の緊張感は、映画のほうがはるかにうまくできていて、小説はややそのあたりはおとなしめ。

 とはいえ、全体的にみると映画よりも小説のほうがいろいろよくわかる。なぜエウロパには着陸してはならないというのかなど、映画ではまるっきりわからないまま。このままを映画化しなくてもよいけれど、もう少し描かれていなければ意味がないような印象も。その意味ではちょっともったいない感じ。

 今になってみると面白いと思ったのは、次の部分。

古びた本が何冊か片隅にあり、壁には、「合衆国宇宙船、木星へむかう」とうたった新聞の一面記事が、額縁に入れて飾られている。ニューヨーク・タイムズの、印刷版としてはほとんど最後に近い号である。(P.201)

 「2010:odyssey two」が書かれたのは、1981 年から 1982 年にかけてのこと。

 また、度々噂になる「あの話」についても言及されていて面白い。

「チャンドラ博士、あれは本当なんですか ---- IBM に一歩先んじる意味で、あなたがハルという名を選んだという話は?」

「くだらんことを! われわれの半数は IBM 出身ですよ。それはもう何年も前から否定してきた話なんだ。多少知恵のある人間ならみんな知っていると思っていたが ---- H・A・L は、Heuristic ALgorithmic (発見的・算法的)の略だ!」(P.223-224)

 さて、小説ではこの先まだ「2061」「3001」と続くようなのだけれど、どうしたものかなあ。

41501109642061年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF)
アーサー・C クラーク Arthur C. Clarke
早川書房 1995-03

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41501134753001年終局への旅 (ハヤカワ文庫SF)
アーサー・C. クラーク Arthur C. Clarke
早川書房 2001-03

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TSNETスクリプト通信第10号でました

 [ TSNETスクリプト通信第10号 - TSNETWiki on TextWorld ]

 TSNET スクリプト通信第 10 号が出ました。お疲れ様でした。

 ざっと読むつもりが、わりとしっかり読んでしまった。海鳥さんの「RubyとGraphvizでCollatz予想」は、簡潔にしてなるほどと思うもの。数学の問題で、きちんとした図が描けたら半分は解けたようなもの、といったことを昔聞いたような気がするのだけれど、まさに視覚化されると見えてくることとか、生まれてくる発想ってのはあるのだろうなと。それが、こんな手軽にできるってのもなかなか。

 機械さんは相変わらずのボリューム。これでも少ないというのが恐ろしい。いったいどこまで行ってしまうのか。しかし、あの Python 入門ラノベ(?)の展開も気になるところなのですが。

 Yささんは、猛暑のなかのすべりこみお疲れ様でした。FGALTS 時代かあ、ほんと懐かしいことです。

 しかし、とうとう二桁番号になったのですね。たしかに表紙はあまりにも衝撃的です。

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BABEL

 そういえばかなり話題になっていたよなあ、と思い出したので見た。なんとも重い感じの映画だった。なんというか、人間の業のようなものというか、ある意味では映画「セブン」を思わせるようなというか、なんの関係もないように見えて、実はすべてのものは必ずなにかしらつながっているのだよ、とでもいうか。

 モロッコの子供たちのややねじれた関係性であるとか、いくらなんでもなぜそんなものを打っちまうのさ? とか。夫婦や家族の有りようであるとか、国家・民族であるとか。強者と弱者と。でも、みんなどこかに弱さを抱え込んでいるんだよなあとか。

 菊池凛子の演技がすさまじすぎて、正直驚いたというか。刑事に渡したメモにはなにが書いてあったのだろうか? などと意味もなく考えてしまったり。

 2時間半を超える長さを感じさせない映画だったなあ。

B000UDNQZSバベル スタンダードエディション [DVD]
ギャガ・コミュニケーションズ 2007-11-02

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 そういう啓示だったのだろうか。

4274065979ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち
ポール グレアム Paul Graham
オーム社 2005-01

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[私家版]Ruby会議2010発表資料一覧

 Ruby会議2010 の発表資料の一覧を作ってみた。探せなかったものは ( ) のみ。日記などや slideshare のアカウントはあったものは、そのページ URI を ( ) 内に収めました。

 動画については、RubyKaigi日記の2010-09-012010-08-312010-08-292010-08-28、などからどうぞ。

 場合によっては、メモ:Ruby会議2010クリップもご利用ください。

2010/8/27
[ 大ホール ]

jpmobile on Rails 3 の作り方
小川 伸一郎 (Tokyu.rb)
http://stnard.jp/2010/08/28/358/

Ruby on Railsではじめる携帯電話向けオープンソーシャルアプリケーション開発
山田将輝 (コントロールプラス株式会社)
( )

リアルタイムウェブができるまで
井上真(New Bamboo)
( http://www.slideshare.net/inouemak )
( http://d.hatena.ne.jp/makotoi/ )

われわれは、GCをX倍遅くできる
nari(株式会社ネットワーク応用通信研究所)
http://d.hatena.ne.jp/authorNari/20100827/1282912276

Rubyで作るDSLの基礎
大場寧子(株式会社万葉)
http://www.slideshare.net/nay/the-basis-of-making-dsl-with-ruby

君のクラスの最高の偽物
前田 修吾(株式会社ネットワーク応用通信研究所)
( http://shugo.net/jit/20100824.html )

[ 中ホール ]

Feels Like Ruby
Sarah Mei (Pivotal Labs)
http://www.slideshare.net/sarahmei/feels-like-ruby-ruby-kaigi-2010

User Experience for Library Designers
geemus (Wesley Beary)(Engine Yard)
( )

Rubygems, Bundler, and the future
Carl Lerche (Engine Yard)
( )

Truth and Consequences: Handling Ruby 1.9 Encodings in Rails
Yehuda Katz (Engine Yard)
( http://www.slideshare.net/wycats )

井の中の蛙、大海を知らず
Sarah Allen (Mightyverse)
http://www.slideshare.net/sarah.allen/international-web-application-development

My many failed products
jugyo, 河野十行 (株式会社万葉)
( http://www.slideshare.net/jugyo )

みんなが楽しくプログラミング出来る魔法
tenderlove (AT&T Interactive)
( http://www.slideshare.net/tenderlove )

2010/8/28
[ 大ホール ]

Ruby 1.9.2 is released!
Yugui
http://www.slideshare.net/yugui/ruby-192-is-released

基調講演
Matz
( )

超絶技巧 Ruby プログラミング
Yusuke Endoh (independent)
http://d.hatena.ne.jp/ku-ma-me/20100829

Rubyな日々
Kazuhiro NISHIYAMA (Good-Day, Inc.)
http://znz.s1.xrea.com/t/?date=20100828

Ruby リファレンスマニュアル刷新計画 2010 夏
okkez (Ruby Reference Manual Renewal Project)
( )

Unix修正主義
Tanaka Akira
http://www.a-k-r.org/pub/rubykaigi2010-akr-unix-improved.pdf

== LT ==

ARToolKit Ruby Binding
Urabe, Shyouhei (Network Applied Communication Lab.)
( )

Ruby/Tk-Kit から RubyKit へ : Ruby の単一ファイル実行環境の構築に向けて
Hidetoshi NAGAI (Kyushu Institute of Technology / Rubyist Kyushu)
http://www.dumbo.ai.kyutech.ac.jp/nagai/RubyTk/?c=plugin;plugin=attach_download;p=%A5%D7%A5%EC%A5%BC%A5%F3%A5%C6%A1%BC%A5%B7%A5%E7%A5%F3%BB%F1%CE%C1;file_name=RubyKaigi2010LT-nagai.pdf

What is few?
Shota Fukumori/@sora_h (few developers team)
http://www.slideshare.net/sorah/what-is-few

Toward Lightning RubyVM
Koichi Sasada (The University of Tokyo)
http://rvm.jp/~ko1/activities/rk2010-lt-ko1.pdf

MessagePackで多言語間通信
Sadayuki Furuhashi
http://d.hatena.ne.jp/viver/20100829/p1

Rubyで手軽に暦日を算出しよう!
Yoshihiko Hara
( http://www.din.or.jp/~shinodas/almanacforruby.html )

Introducing the Lingo Project: A New Generationi Text Input System Leveraging Non-native English Writing
Kazki Matz (Lingo project)
http://www.slideshare.net/KazkiMatz/introducing-the-lingo-project

babushka―test-driven sysadmin for rubyists
Ben Hoskings (babushka)
http://www.slideshare.net/benhoskings/rubykaigi-2010-babushka-lightning-talk

parse.yの歩き方 -ワシのRubyは4式まであるぞ-
Ando Yasushi (Seesaa Inc.)
( )

時を超えた電子出版の道の中をRubyと歩いていく
Masayoshi Takahashi (Tatsu-zine publishing, Nihon Ruby-no-Kai)
( http://www.slideshare.net/takahashim )

Ruby Summer of Code 2010のご報告 ~俺たちのDecimalはまだ始まったばかりだ?~
Tadashi Saito (University of Tsukuba)
( )

[ 中ホール ]

Rocking the enterprise with Ruby
Munjal Budhabhatti And Sudhindra Rao (ThoughtWorks Inc)
( )

Rails to Sinatra: What is ready
Jiang Wu (Tengu)
http://www.slideshare.net/jiang.wu/sinatra-and-friends

Mapping the world with DataMapper
Ted Han (%w(Videojuicer DataMapper))
( )

The Necessity and Implementation of Speedy Tests
Jake Scruggs (Backstop Solutions)
( )

Seamless Integration Testing
paulelliott (Hashrocket)
http://www.slideshare.net/paulelliott99/seamless-integration-testing

A Metaprogramming Spell Book
Paolo "Nusco" Perrotta
http://ducktypo.blogspot.com/2010/08/metaprogramming-spell-book.html


2010/8/29
[ 大ホール ]

Rubyでクラウドを便利にする方法~ニフティクラウドの事例~
Kei Hamanaka, Yuichi Saotome (NIFTY Corporation)
( )

Rubyによる分散ストレージシステムの実装
Toshiyuki Terashita (RICOH IT SOLUTIONS Co.,Ltd.)
http://www.slideshare.net/suzumura/castoro-rubykaigi2010

RWikiと怠惰な私の10年間
関将俊(druby.org)
http://www.slideshare.net/mseki/rk10trailer

Practical Ruby Projects with MongoDB
Alex Sharp (Lead Developer, OptimisDev)
http://www.slideshare.net/drumwurzel/practical-ruby-projects-with-mongo-db-ruby-midwest-4777566

IronRuby - What's in it for Rubyists?
Shay Friedman (Sela Group)
http://www.slideshare.net/shayfriedman/ironruby-whats-in-it-for-rubyists-rubykaigi-2010

Ruby業務システムの広がりとホットスポット島根
Hiroshi Yoshioka (TechnoProject Ltd.)
http://www.matsukei.co.jp/topics/pdf/100829_ruby_kaigi.pdf

There Is No Spoon -- Think Global, Act Regional
Shintaro Kakutani (rubykaigi.org, Nihon Ruby-no-kai)
http://www.slideshare.net/kakutani/there-is-nospoon

基調講演
Chad Fowler
( )

[ 中ホール ]

bigdecimal ライブラリと Ruby の数値系の未来
村田賢太 (株式会社ジェネティックラボ)
http://www.slideshare.net/mrkn/rubykaigi2010mrkn-bigdecimal

NArray and scientific computing with Ruby
田中昌宏(筑波大学)
http://www.slideshare.net/masa16tanaka/narray-and-scientific-computing-with-ruby

yarv2llvmはどう失敗したのか
三浦 英樹 (CSNagoya)
( http://d.hatena.ne.jp/miura1729/ )

Ruby 用 AOT コンパイラ
Satoshi Shiba (The University of Tokyo)
( )

Memory Profiler for Ruby
Tetsu Soh (The University of Tokyo)
( )

るりまサーチの作り方 - Ruby 1.9でgroonga使って全文検索
須藤 功平(株式会社クリアコード)
http://www.clear-code.com/blog/2010/9/1.html

ゲームとバーチャルタイム
Tom Lieber (SonicMule,Inc.)
( http://alltom.com/ )

before Rails 時代のプログラマが如何にして after Rails の世界にたどりついたか
柴田博志(hsbt) (永和システムマネジメント/asakusa.rb)
http://www.slideshare.net/hsbt/how-to-survive-in-post-rails-world

HTMLデザインをまったく崩さない、美しいテンプレートエンジンの作り方
Makoto Kuwata (programmer)
http://www.slideshare.net/kwatch/html-5079716

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アはアーサー・C・クラークのア

 8/31 からはじまった NHK 火曜夜 10:00 のドラマ「10 年先も君に恋して」。未来からやってきた男性が、自分たち夫婦が結婚しないようにするという話ということで、なんとなく見なくてもいいか、と思っていたのだけれど、どうも SF 的な話題も多くでているようで、さてどう展開させるのだろうか、という話を目にしたので、ちょうどあった再放送を見てみた。

 ドラマそのものは、なんだかちょっと恥ずかしくなってしまうようなところがあったものの、まあそういうドラマだからなと。ただ、ちょっと気になるせりふがあって、さて? と思ったのだった。

「高校生の時に、図書館の本を「あ」の棚から全部読んだんです。アーサー・C・クラークは”あ”だから、もう読みました」

 というもの。未来からやってくる夫は、宇宙エレベータの研究をしていて、遊園地でのデートでそんな話などしているときに、「楽園の泉」の話題になって、お互いの親近感が増したという場面でのせりふ。よほど、特殊な事情でないかぎり、通常なら”く”の棚に収められるのではなかろうかなと。

 小学校の図書館ならば、あえて”あ”に分類するということはありだと思う。中学・高校からは、”く”だろうか。地区の図書館ならまして。基本的に司書がいる、いないを問わず、本を読んでいたら自然とそういう感覚は身につくかなとも思うが、むろん必ずしもすべての人にそう期待できるわけではないのも確かか。

 図書館としての分類は、本来”く”だったのだが、たまたま担当した図書委員が間違って”あ”に分類してしまうということは、あるいはあるかもしれない。とはいえ、やや特殊な状況かもしれない。

 すぐには脚本の方のミスかと思ったが、「いや、編集などの段階で変更されることもある」という意見を受けて、確かにそういうこともあるなと。ドラマの場合でいえば演出家といった人あたりなんだろうか。まあ、そうした事情に関しては知る由はない。

 いや、別に誰が、ということを問題にしたいわけではなくて、あたりまえのせりふで使われただけに、「さて、そういうものかな?」と不思議に思ったというところ。

 SF 的な考証として、どうドラマの決着をつけるのか、妙な展開になどしないだろうか、というあたりに興味はあるものの、考えてみれば、これは恋愛ドラマなわけで、SF ドラマではない。単に SF 的なアイデアを使ってみているだけで、ドラマの本質はそこにはない。一応、科学技術関係については、複数の方々が考証に関わっているようなので、そのあたりで妙なことはあまりないのだろうけれど、SF 的なタイムパラドックスとかは、あまり重視せずにおさめてしまうということはあるのかもしれない。

 ま、せっかくの機会なので、最後まで見てみようかと。

#「楽園の泉」では、”軌道エレベータ”という名称だったかな。いまでは、”宇宙エレベータ”という呼称が一般的みたいだけれど。各方面でさかんに研究開発が行われている。

追記:
 タイトルを修正。


415011546X楽園の泉 (ハヤカワ文庫SF)
アーサー・C. クラーク Arthur C. Clarke
早川書房 2006-01

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4488612059ウは宇宙船のウ【新版】 (創元SF文庫)
レイ・ブラッドベリ 大西 尹明
東京創元社 2006-02-27

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4488612040スは宇宙(スペース)のス (創元SF文庫)
レイ・ブラッドベリ 一ノ瀬 直二
東京創元社 1971-10

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 もしも、「ロはロケットのロ」としていたら、「ウは宇宙のウ」だったのかもしれない?

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消失

 [ 「アマチュア手品師失踪事件」は・・・::更新日記 - 日曜プログラマのひとりごと ]

 いやはや、酷評したのを補足されてしまいました(笑)。実のところ、最初の印象があまりに悪すぎたというのと、もう少しまともな作品なのかと思っていたこととのギャップとが、主たる原因なのかもしれません。

 で、当初はもう少しキツイ内容を含んでいたのですが、さすがにそれはまずかろうということで、多少おとなしくしたのですが、読み返してみると、まだまだきついかなあ、とも。

 児童文学というにも、これではちょっと子供向けにはできてないし、結局どこをとっても中途半端な印象なのですよね。もっとも、先日の相性の話ではないですが、向き不向きというものはあるのだからと、割り切るくらいしかないのですが。

 フーディーニを引き合いに出すなら、もう少しまともな消失マジックに仕上げなくては。初代引田天功みたく泥臭い感じにしたら、それはそれでよかったのかもとか。

 後半はそれでもまだ読めたのですが、結末のつけかたは、あまりにも杜撰すぎて、結局ほめることができなかった一冊なのであります。当然、続編を読むことはないです。

 なにより、直前に読んだのが「フロスト気質」だったので、違いがあまりに大きすぎたというのも影響しているかもしれませんが。日本においても同様ですが、出版においても粗製乱造が多すぎることが、なによりも問題なんだろうなあ、などと自らを棚にあげて思ってしまったり。


追記:9/6
 [ 読むべき本::更新日記 - 日曜プログラマのひとりごと ]

児童文学というのは、テレビドラマ化した場合に子どもが見ても問題ないストーリーという意味。

 なるほど。それはあるかも。

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あるいは451Fな世界

 記憶にとどめるという意味においてメモ。

 [ 高木浩光@自宅の日記 - 岡崎図書館事件について その1, DoS等で業務妨害罪とされた過去の報道事例, 山形の事件は悪意ある攻撃であったことを確認(21日.. ]

 [ 高木浩光@自宅の日記 - 国会図書館の施策で全国の公共機関のWebサイトが消滅する 岡崎図書館事件(5) ]

 [ 高木浩光@自宅の日記 - Anonymous FTPで公開されていたGlobal.asaが示すもの 岡崎図書館事件(6) ]

 [ 高木浩光@自宅の日記 - Macっ娘ならオートメータ君つかいたおすわよね ]

 [ 高木浩光@自宅の日記 - 三菱図書館システムMELIL旧型の欠陥、アニメ化 - 岡崎図書館事件(7) ]

 [ 高木浩光@自宅の日記 - 岡崎図書館事件(2の2) 図書館はどうしたのか 前編 ]

 図書館を使わなくなって久しくなってしまったけれど、ウェブでのこととはいえ、この対応を見ていると、それは恐ろしくてリアルであろうとますます利用したいという気持ちはなくなるなあ。


 essa さんのもなかなか興味深い。

「パブリック」という概念は、西欧では社会を運用する基盤となっているが、日本には根づいてない。そして、インターネットは「パブリック」という概念を、かなりベタに現実化したものである。アーキテクチャそのものがパブリックにできている。
だから、企業の中に閉じたシステムを作っていた業者が、ネットに接続するシステムを開発する時は、異業種に進出するような準備と覚悟が必要なのだと思う。パブリックな空間では、パブリックなルールがあるし、パブリックな問題の処理の仕方がある。パブリックな空間に露出することの責任がある。

 [ 重なりあうコミュニティの空気とパブリックな空間のルール - アンカテ ]

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ベクシル

B002GYZCKGベクシル -2077 日本鎖国-(廉価盤) [DVD]
曽利文彦
エイベックス・マーケティング 2009-10-02

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 なんだかアップルシードの外伝とか番外編とかそういうヤツなのかと思っていたら、監督が同じということだったのか。多少ぎこちない動きがあるとはいえ、モーションキャプチャー使った動きは、ちょっと不思議な感覚。あの髪の毛がもう少しどうにかなれば、もっとよいのではあるけれど。

 日本がハイテク鎖国をするなんてのも、とんでもない研究で人体が改造されていくなんてことも、やや突飛な感じはあるものの、SF的なアイデアとしたらなかなか面白いなあと思いつつ見た。島国日本だからこその物語かな。

 多少説明が不足している感じで、そこはいったいどうなっていたのかと思うところもなくはないけれど、なかなか面白かった。ジャグはなんだか「DUNE」のサンドワームみたいで、なんだかなところもあったけれど。

 仮にこの技術が現実のものになったとしたら、一番欲しがるのはきっとアメリカだろうなあ。いやまあ、世界中の軍事関係者が欲しがるか。あるいは、アメリカではすでに開発が進んでいたりするかもしれない。なんて映画がハリウッドで作られてもおかしくないかも。

 公開時にはあまり興味がわかなかったのだけれど、思ったよりもよかったなあ。これも、アップルシードの亜流続編か、などと思ってしまったのが遠因。


 もはや絶版。

4150100764デューン砂の惑星 (1) (ハヤカワ文庫 SF (76))
フランク・ハーバート 矢野 徹
早川書房 1985-02

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メモ:Ruby会議2010クリップ

#中継で見てないもので、録画をこれから見て追加はあるかも。

RWikiと怠惰な私の10年間
 RubyKaigiでつかった資料 - I like Ruby too
 ”初版まだ買えます。”

るりまサーチの作り方 - Ruby 1.9でgroonga使って全文検索
 groonga - an open-source fulltext search engine and column store.

ゲームとバーチャルタイム / ruck: time manipulation for Rubyists
 ChucK => Strongly-timed, On-the-fly Audio Programming Language
 ruck

How to survive in post Rails' world
 tDiary-3.0.0 以降の話, RubyKaigi2010 三日目 - HsbtDiary(2010-08-29)

HTMLデザインをまったく崩さないテンプレートエンジンの作り方
 Kwartz

ARToolKit Ruby Binding
 ARToolKit Ruby binding

Ruby/Tk-Kit から RubyKit へ
 http://www.dumbo.ai.kyutech.ac.jp/~nagai/RubyTk/?Ruby%2FTk-Kit にアクセスできなくなっている。

Toward Lightning RubyVM
 行ってらっしゃ~い

Rubyで手軽に暦日を算出しよう!
 Almanac for Ruby Download Page

Introducing the Lingo Project
 RubyKaigiのLTでLingoの紹介をしてきました - スケールするサイトのアーキテクチャ考

parse.yの歩き方 -ワシのRubyは4式まであるぞ-
 オレオレ Ruby

時を超えた電子出版の道の中をRubyと歩いていく
 ”他言無用でお願いします”

超絶技巧 Ruby プログラミング
 [Ruby] /dev/dsp で音声を鳴らす方法 - まめめも
 たのしい Ruby

Ruby リファレンスマニュアル刷新計画 2010 夏
 Route 477 - myruremaに「るりまを書くための機能」を追加しました
 続々進化中

Unix修正主義

jpmobile on Rails 3 の作り方
 darashi's jpmobile at master - GitHub

われわれは、GCをX倍遅くできる
 3刷おめでとうございます。

閉会の辞
 そして伝説となる。

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アマチュア手品師失踪事件


448829703Xアマチュア手品師失踪事件 (移動図書館貸出記録2) (創元推理文庫)
イアン・サンソム 訳:玉木 亨
東京創元社 2010-07-27

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 本が好き!経由で献本していただきました。ありがとうございます。

 ひとことで言えば、これほどイライラした読書もない。もしも、まっとうなミステリを、小説を期待して読もうと手に取ったのであれば、やめたほうがよいというしかない。せめて、少し立ち読みしてから購入を考えるべきだ。

 アイルランドのとある町で移動図書館の仕事をしている主人公イスラエルが、デパートの催しの準備のために行くと、金庫から金が無くなっていて、経営者の行方もわからない。警察が到着すると、有無をいわさず現場にいたイスラエルを逮捕、拘束、留置。そしてなぜか翌日には保釈。無実をはらすべく真犯人と事件の真相を調査する。というのがおおすじ。

 が、とにかくまともではない。まず、冒頭でデパートに到着したイスラエルが車を駐車しようとすると、管理人が「そこは駐車禁止だ」と強行に言うばかりで、ほかに停めろという。確かにそういう場所だったらしいが、移動図書館を運転している彼の話はまったく聞こうとはしない。どうにかこうにか催しの場所に行って、準備をし、なんとか出来上がったところで、彼がうっかり隣の陳列などを壊してしまったところへ管理人が現れるが、そのことにはあまり怒らない。で、なぜかイスラエルをつれて事務所に行き、金が盗まれていると話す。

 管理人の態度は終始イスラエルに対して冷たく、頼りにするという相手でもなかったはずなのに、なぜ金庫まで連れて行って事情を説明する必要があったのかは、まったく不明。経営者と連絡が取れないことを話す理由もよくわからない。

 さらに、管理人の連絡を受けて到着した警察が、到着すると同時に、部屋にいたイスラエルを有無をいわさず逮捕。逮捕容疑も説明しないし、彼から話を聞くことも一切なし。勝手に彼の衣服のポケットを探って所持品を出して預かってしまったり、即座に車に連れ込み連行するなど、あまりに横暴すぎる。

 署に到着すると、裸になって紙製の衣服に着替えろといい、血液採取を強行し、事情聴取もろくにないまま留置所に。まったく彼の言い分をまともに聞くという姿勢がない。その後取り調べはあるが、ちぐはぐとしたものでなんとも悪意に満ちている。

 こんな具合だ。

「どうしてイスラエルという名前に?」

「イスラエルからとったんですよ。旧約聖書にでてくるイスラエルの民から。聞いたことあるかと思いますけど?」
「あなたは中東にあるイスラエル国にちなんで名づけられた? それでは、あなたとイスラエル国との関係はどのようなものですか?」
「え? ぼくはイスラエル国とはなんの関係もありませんよ!」
「イスラエルという名前でありながら、イスラエル国とも中東ともなんの関係もないと?」
「そうです」
「では、なぜイスラエルという名前なんです?」
「だから、もう説明したでしょう! 母がユダヤ人で、そのときはいいアイデアに思えたんです。あっちには親戚がいたし。流行ってたんです」
「では、あなたは中東とはなんのつながりもないと主張しながら、あちらに親戚がいるというんですね?」
「ええ。ねえ、これがいったいなんの関係があるっていうんです? ぼくは北ロンドンの出身で、ただ名前がイスラエルというだけのことだ。イスラエル人じゃない」
「なるほど。それでは、あなたはこの北アイルランドでなにをしているのですか?」
「ここに住んでる。それは知ってるでしょう。ここで働いてる。ぼくは司書なんだ!」
「では、あなたは移民なんですか?」
「移民? ええ、まあ。いや、そうじゃない。ちがいます。そりゃイングランド人ではあるけど、移民じゃありません。たまたまここにいるだけで。ここで就職したから」
「こちらでの仕事は?」
「いまいったでしょう! 司書です! 移動図書館の。そこにいるフリエル巡査部長に訊いてみるといい。彼は月に一度、図書館から本を借りてる。あなたは図書館で本を借りたことがないんですか?」
「アイルランドには県がいくつありますか、ミスタ・アームストロング?」
「えーと・・・知りません。なんでそんなこと訊くんですか?」
「アントリム県の三つの渓谷をいえますか?」
「なんですって?」
「おかしいですね。あなたは移民ではないと主張している、ミスタ・アームストロング。ところが、自分が暮らしている国のことをあまりご存知ないようだ」
「ここにきて、まだほんの・・・」
「イスラエル人の言葉をしゃべりますか、ミスタ・アームストロング?」
「イスラエル人の言葉? なにをいってるんです? ヘブライ語のことですか?」
「アラビア語は?」
「いいえ。アラビア語はしゃべれません。ヘブライ語も。イディッシュ語なら二ダースくらい知ってますけど、それだけです」
「イディッシュ語?」
「そうです」
「なんですか、それは? ユダヤ人の言葉ですか?」
「やれやれ」
(ここでいい加減辟易したイスラエルがだんまりを決め込む)
「返事をしなければ、裁判では推測がもちいられるかもしれませんよ」
(P.83-87 会話だけに一部再構成)

 歪みきった推測のストーリーで逮捕したのは、誰だろう? そしてこれは会話としてまともなんだろうか。


 もちろん、これがコメディミステリで、誇張されたおかしさなのだという趣旨かもしれないし、そういう意見もあるとは思うが、それにしてもちょっとおかしすぎないかと。誰もイスラエルとまともな会話が成立してないのは、彼がヘタレで気が弱く、他人とうまく付き合えないからだということですませている向きもあるようだが、その設定はそれとして、ここまで悪意に満ちた人びとばかりなのに、話としては現実的な世界を描いていることにとても違和感を覚えるし、そればかりが延々と物語の中盤まで続くさま(彼が逮捕されて釈放されるあたりで全体の半分ほどがさかれている)は嫌悪感すら覚えるほど。

 読んでいて非常にイライラした。

 コージーミステリとか、ギャグ系の小説にしても、ここまで破綻していないのではないかと。仮にこれがコメディの台本、漫才の台本というのであれば、笑えなくもない。けれども、物語の展開は決してコメディのそれでも漫才のそれでもない。至極現実的。にもかかわらず、彼以外の人物は他人の話をまったく聞こうとしないばかりか、思い込みばかりが激しい。百歩ゆずって、そういう町なのだという設定としても、非常に不愉快な印象ばかりが残ってしまう。

 かてて加えて、いくら素人とはいえ、彼イスラエルの調査がまったく調査然としないのに、ヒントばかりはあちらからやってきてくれるというご都合主義。しかもこれという連携もないままに、ヒントをちりばめておいて、残り 20 ページになって「きっとここにいるに違いないよ」といって、とあるホテルに行くと確かに見つかってという展開はなんなのか。そして、これという真相もなく(一応あるにはあるが)、決着らしい決着もなく終わってしまう。

 ミステリとしても、小説としても、これを評価できるのか? というところで、本当にヘタレなのは主人公イスラエルではなく、作者自身なのではないかとも思ってしまう。

 解説では「つまり本書は、ただ書名だの有名キャラクターだのを作中に混ぜ込んだだけの「なんちゃってビブリオミステリ」ではなく、本当に本が好きな読書マニア向けのシリーズなのだと言って良い」と書かれているのだが、特にそれらについての薀蓄が語られるわけでもなく、それらが事件に絡むというわけではもちろんなく、ただただ列挙されているだけに見えるのだが、それはわたしが読書マニアではないからなのだろうか。

 本当にビブリオミステリというのであれば、ジョン・ダニングとはいわないまでも、それに類するくらいの出来であって欲しい。その足元にも遠く及ばない本書は、やはり「なんちゃってビブリオミステリ」でしかないと、わたしは思う。

 繰り返しになるけれど、もしも本書がなんとなく気になって手に取ったとしても、少し立ち読みなりしてから判断して欲しい。その上で、面白いと思ったのであれば、あなたにはこの本があっているということです。少なくともわたしには合わなかった。そういうことなのです。

4151704019死の蔵書 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ジョン ダニング John Danning
早川書房 1996-03

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アマチュア手品師失踪事件
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