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しあわせ猫ちぐら


477270485Xしあわせ猫ちぐら―猫と人とふるさとの写真帖 越後せきかわで、こんだニャンコと人におだよ。
五月書房“猫ちぐら”編集部 新潟県関川村・猫ちぐらの会
五月書房 2010-08-06

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 本が好き!経由で献本していただきました。ありがとうございます。

 巻末の地図を見ると、関川村は下越地方新潟県の北の方にあたるようで、そういう意味では接点がないのだけれど、長野県の栄村あたりでも同様に「猫つぐら」が作られていたはず。関川村でも地元ではあくまでも「猫つぐら」と呼ばれている。巻頭で村長さんが書かれているけれど、「ちぐら」は標準語とのことで、確かに元来は田畑の仕事の際などに赤ん坊を入れておくために用いられていた。くるみこむように丈夫に編まれた赤ん坊用のザル状のものといえばわかりがよいかもしれない。

 たまたま、先日放送の NHK 土曜時代劇「桂ちづる 診察日録」でも、同様のちぐらと思われる籠に赤ん坊を入れていて、不思議な偶然を少しばかり思った。

 おそらくここ 10 年くらいに、猫ように作られた「猫つぐら」が知られるようになり、そうした山郷でもそれを利用して村に活気をという動きが見られるようになった。関川村もちょうどそうしたひとつらしい。奇しくも同じ形状であるが、どちらかかで出来上がったものが広がったのか、はたまたいずれでもないところから広まったのかについては寡聞にして知らない。けれども、どこがはじまりなどということは抜きにして、赤ん坊への需要が減っても、それを身近に暮らす猫に対して与えるというやさしさと愛情はなんとも温かい。

 そんな猫つぐらと猫の写真や、村の人々の明るく暮らす姿、村の行事などの写真とともに、村のことばがつづられている。そのどれもが、なんとも愛らしい。今、小さな村の生活はさまざまな意味で決して楽ではないと想像するのだけれど、人に対しても猫などの動物に対しても、むろん自然に対しても、人々の関わり方はとても温かみを感じるし、明るい。

 猫つぐらを通じて、そんな村の息吹が伝わるかのよう。

 新潟県と長野県(特に隣接するという意味においては、北部において)は文化的な関連もなかなかに深いと思われるし、方言などにも類似性がみえると思う。

 関川村の「おなごしょ」は北信では「おんなしょ」だったり、「なんして」は「なして」だったり、「しょした」は「しょうしい」だったり。「こね」はやっぱり「こね」だし、「つぐら」は「つぐら」だ。「ぬぐだまる」はちょっと違うが、「のふたまる」あたりだろうか。

 けれど、関川村とはやや距離があるというのが、なかなか興味深いところかもしれない。

 村の方言簡易辞典のようなつくりであることを思うと、できればここは標準語の「ちぐら」ではなく、「しあわせ猫つぐら」と、あくまでも方言でまとめていただきたかったという印象もあり、そのあたりはちょっと残念な気持ちもする。

 とかく猫は狭いところが大好き。お宅の猫にもおひとついかがですか。(グスタフやドーラにどうでしょう、たださん。とか)





しあわせ猫ちぐら―猫と人とふるさとの写真帖 越後せきかわで、こんだニャンコと人におだよ。
  • 五月書房“猫ちぐら”編集部
  • 五月書房
  • 1575円
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書評

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