アはアーサー・C・クラークのア
8/31 からはじまった NHK 火曜夜 10:00 のドラマ「10 年先も君に恋して」。未来からやってきた男性が、自分たち夫婦が結婚しないようにするという話ということで、なんとなく見なくてもいいか、と思っていたのだけれど、どうも SF 的な話題も多くでているようで、さてどう展開させるのだろうか、という話を目にしたので、ちょうどあった再放送を見てみた。
ドラマそのものは、なんだかちょっと恥ずかしくなってしまうようなところがあったものの、まあそういうドラマだからなと。ただ、ちょっと気になるせりふがあって、さて? と思ったのだった。
「高校生の時に、図書館の本を「あ」の棚から全部読んだんです。アーサー・C・クラークは”あ”だから、もう読みました」
というもの。未来からやってくる夫は、宇宙エレベータの研究をしていて、遊園地でのデートでそんな話などしているときに、「楽園の泉」の話題になって、お互いの親近感が増したという場面でのせりふ。よほど、特殊な事情でないかぎり、通常なら”く”の棚に収められるのではなかろうかなと。
小学校の図書館ならば、あえて”あ”に分類するということはありだと思う。中学・高校からは、”く”だろうか。地区の図書館ならまして。基本的に司書がいる、いないを問わず、本を読んでいたら自然とそういう感覚は身につくかなとも思うが、むろん必ずしもすべての人にそう期待できるわけではないのも確かか。
図書館としての分類は、本来”く”だったのだが、たまたま担当した図書委員が間違って”あ”に分類してしまうということは、あるいはあるかもしれない。とはいえ、やや特殊な状況かもしれない。
すぐには脚本の方のミスかと思ったが、「いや、編集などの段階で変更されることもある」という意見を受けて、確かにそういうこともあるなと。ドラマの場合でいえば演出家といった人あたりなんだろうか。まあ、そうした事情に関しては知る由はない。
いや、別に誰が、ということを問題にしたいわけではなくて、あたりまえのせりふで使われただけに、「さて、そういうものかな?」と不思議に思ったというところ。
SF 的な考証として、どうドラマの決着をつけるのか、妙な展開になどしないだろうか、というあたりに興味はあるものの、考えてみれば、これは恋愛ドラマなわけで、SF ドラマではない。単に SF 的なアイデアを使ってみているだけで、ドラマの本質はそこにはない。一応、科学技術関係については、複数の方々が考証に関わっているようなので、そのあたりで妙なことはあまりないのだろうけれど、SF 的なタイムパラドックスとかは、あまり重視せずにおさめてしまうということはあるのかもしれない。
ま、せっかくの機会なので、最後まで見てみようかと。
#「楽園の泉」では、”軌道エレベータ”という名称だったかな。いまでは、”宇宙エレベータ”という呼称が一般的みたいだけれど。各方面でさかんに研究開発が行われている。
追記:
タイトルを修正。
楽園の泉 (ハヤカワ文庫SF) アーサー・C. クラーク Arthur C. Clarke 早川書房 2006-01 by G-Tools |
ウは宇宙船のウ【新版】 (創元SF文庫) レイ・ブラッドベリ 大西 尹明 東京創元社 2006-02-27 by G-Tools |
スは宇宙(スペース)のス (創元SF文庫) レイ・ブラッドベリ 一ノ瀬 直二 東京創元社 1971-10 by G-Tools |
もしも、「ロはロケットのロ」としていたら、「ウは宇宙のウ」だったのかもしれない?
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