結束。がんばろう
■一致結束
近頃の政治家先生は、やたらと「一致結束して」と云うのだけれど、なにかおかしくないか? 十把一絡げじゃないが、「そこにあるの全部まとめて縛っといて」ってわけでもなかろうに。それをいうなら「一致団結して」ではなかろうかなあ。それとも、わたしなんぞ素人は知らないだけで、それこそが正しい使い方なのかもしれないけれど。
いっち【一致】--する(1)あれとこれとを比べて・(重ねて)見て、違いが全く見いだされないこと。
(2)矛盾が見られない状態だ。
(3)組織体・団体の意見や行動目標が一体化すること。けっそく【結束】--する
[一まとめに束ねる意]何かの目的に向かっておおぜいの人が統一行動をとるように心を固めること。だんけつ【団結】--する
一人ひとりは弱い者同士が結びついて団体を作り、強い力を持って行動すること。
(新明解国語辞典第四版)
いっちだんけつ[一致団結]「一丸となる」の、やや文章語的な言い方。
いちがんとなる[一丸となる]
全員が力を合わせて団結し、(困難な)事態に対処する。
(類語大辞典)
一応、広辞苑にも「一致結束」という言葉はでていないようだ。
■お値段もいいんでしょう
上戸彩がでている日通の引越しの CM 。若いふたりに担当者が説明していると、壁から忍者のように上戸彩があらわれて、「日通さんて、お値段もいいんでしょ」という。これ、なんか変。最近の人はそうなのかもしれないが、少なくともこういう使い方をしたとき、意味するのは、「値段が高い」だと思うのだけれど。
「こちらの商品、こんなことや、こんなことも簡単にできてしまうんですよ。便利ですよ」
「あら、ほんと。便利そうね。でも、お値段もいいんでしょ?」
「いえいえ、今でしたら大変お求め安くなっております」
という会話が成り立つ。サービスもいいが、値段もいい、という場合はどちらも高いという意味合いを持っていると思うのだけれど。それとも、そういうものでもないのだろうか? いや、そうでもないと思うのだけれどなあ。
■着心地ゼロ
ユニクロでやっている CM 。これを聞いて、良さそうと思う人はどれほどいるんだろう。まるっきり気持ち悪くて着ていられない、というイメージを持ってしまうのだけれど。
言いたいことはわかる。着ているという感じがないような着心地なのだ、と言いたいのは。それでも着心地はよいか悪いかであって、ゼロといったら直感的にはあまり快適という印象にはならないと思うのだがなあ。たとえによるのであって、着心地がいい=着心地ゼロ、という連想はちょっと無理があるように思う。
けれど、きっと、こうして言葉のもつ意味合いが、変えられていってしまうのだろうなあ。
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