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まもなくアバタセプト

 [ 【薬食審医薬品第一部会】抗リウマチ薬など6新薬了承‐新タイプの骨粗鬆症治療薬も : 薬事日報ウェブサイト ]

 この秋にも使えるかと噂のあった、アダプセプトがいよいよ出てきた様子。治験に参加されている方のブログをずっとみてきたので、効果のほどは十分に期待できると思っていた。またひとつ可能性が増えたことはうれしいこと。

 さらには、ターゲットとしている仕組みがこれまでとは、また違うようなので、現状の生物学的製剤で効果がみられなかった人にも期待がもてるのがうれしいところ。なにやら承認条件が付帯しているので、そのあたりどうなのかは詳しくないので、よくわからないけれど。

 残る問題は、これら難病に共通していえることで費用の問題か。そうでなくても難病のために治療費を捻出することは困難であるのだから、国や地方自治体が全面的に支える(つまりは健康な国民によって支える)仕組みこそが、望ましいのだと思うのだけれどね。現状はなかなか難しい。

 処方での問題というか、希望としては、なんとか点滴や皮下注射でない経口での処方が可能な技術が確立されたら、患者の負担も低減されるのになあと。生物学的製剤はたんぱく質のために消化器官を避けたいという事情が壁になっているんだよね。人工透析されている方の負担を思えば、はるかに楽かもしれないけれど、可能なかぎり負担は軽いほうが望ましいものね。

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感謝

 5 月には母の日が二回あるのかもしれない、と思った。

こどもの日 五月五日 こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。
国民の祝日に関する法律

 ま、何度あっても感謝しきれないのは確か。

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翻訳

Gyao_wbt


 GyaO! でのワーナー映画の冒頭に表示されている文言。機械翻訳なのかなあ。

この作品の関する総ての権利は著作権者に留保され

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 今月なかばにブックオフオンラインがリニューアルされた。で、今回、それにともなって届いた利用客からの意見をまとめて紹介しつつ回答をスタッフブログでされている。時間をかけて修正したはずではあるものの、利用者の目から見たら違う感想を持つというのは、当然あることで、それをきちんと受け止めて、変えるべきところはさらに変え、変えずに対処できるところは、その方策を提示してというのが、きちんと見えるというのは、なかなかよいなあと。

 ふと、見ていて思ったのは、「ログアウトボタンがない」というやつ。これは、amazon 方式かなあ。もう慣れたというか、諦めたような感じで使っている amazon 方式だけれど、やっぱりあれは使う側にとってはうれしくないと思うので、ログアウトボタンの設置は望ましいと思う。なんだか、いったんログインしたらもう逃げられないぜ、とでも云われているようで(と、そこまで強迫観念ではないけれど)。それでいて、amazon のアソシエイトセントラルではサインアウトのリンクがあるという謎。

 「買い物したらガムがついてきた」ってのは、なにも知らず、さらに何の案内もなかったのだとしたら気持ち悪いだろうなあ。箱の中に案内文書とかもなかったのだろうか? とも思うのだけれど、せっかくのリニューアル記念の景品だったので、ちょっと残念でしたね。

 相手が見えないオンラインサービスだからこそ、こうしてこまめに対応状況などを開示していく姿勢があるのは、大切なことだろうなと。まあ、大変なことではあるんでしょうけれど。

 大人買いのお知らせメールについても、全巻揃ったらというだけでなく、希望する価格を設定できるのはいいと思う。エライ人である河野さん自身が欲しいと思っていた機能で、自身使われてその便利さを実感されていたようだけれど、高額なものを中古で安く買いたいと思うのだから(絶版などで、新刊書店では入手できないというのもあるけれど)、この機能は使ってみたいなあと。実際、欲しいものがあるにはあるので。

 そろそろデビューしたいなと思う、このごろ。

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音の記憶

 そういえば、遠い記憶で映画になったのだと覚えてはいたものの、劇場はおろか、おそらくテレビでの放送もメジャーな時間帯(○○洋画劇場とか、しかし洋画といいつつ邦画もあるのは奇妙ではあるなあ)ではなかったであろうという、「櫻の園」をようやくにして見たのだった。吉田秋生の原作も読んでない。というか、あれほど有名で、もちろん知っていたし手に取ったこともあるのに、どの作品にしても、まともに読んだことがなかったのだなあと。

 映画そのものは、淡々と事件が進展していって、はたして創立記念日に毎年上演されている「櫻の園」が、今年はあるいは中止になってしまうのでは、という不安と、中止になればいいのにという、一部の思いとが錯綜して描かれていて、いかにも青春なんだなあと思うところはよい感じ。女子高ってのは、こうなのかなあと思わせてくれるし。

 とはいえ、新人ばかりなので、どうにも台詞まわしが妙で、ぎこちない感じが強すぎて、それでいて、女子高生らしい会話では、かえってその雰囲気がうまくでているともいえるのだけれど、物語としては、やっぱり不満が残ってしまうような。少なくとも、昔、映画化されたほうの映画のはなし。ちょっとばかり、危ない方面に行ってしまうのか、という不安も持たせつつ。

 青春映画なんだと思えば、あるていど割り切れるので、まあ、ほどほどに満足したともいえるのだけれど。

 それよりもなによりも、作中、何度となく流れるあの曲が、どうにも有名な CM を連想してしまって、その影響のほうが大きかったのかもしれないか。恐るべし。

B00005HNT3櫻の園 [DVD]
パイオニアLDC 2000-10-25

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4592883217櫻の園 白泉社文庫
吉田秋生 白泉社 1994-12

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4091911617Banana fish (1) (小学館文庫)
吉田秋生 小学館 1996-12

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株式会社 太田胃散 CM紹介

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ナノなの

 テレビで見かけたちっちゃなレゴブロック。手の大きな人には嫌がらせか、と思ってしまうかもしれないような小ささ。それだけに根気を試されそう。いまは、こんなものもあったんだなあと。

B002TOKP96nanoblock mamelog ハッピーバースデー ガール
河田 2009-11-25

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B002TOKP9Gnanoblock mamelog ハッピーバースデー ボーイ
河田 2009-11-25

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B0037HOWM0nanoblock チョコレートケーキセット
河田 2010-02-24

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 そういえば、以前河野さんが作ったというのはこれだったのかな? と、ふと思い出した。

B002A9J5SCnanoblock 姫路城
河田 2009-05-25

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いまどきな入学式

 しばらく前のことではあるけれど、NHK のニュースで大学の入学式のことを取り上げていた。なにやら人数が多いので複数回にわけて入学式を行うところが増えているのだとか。もっとも、増えているのは生徒ではなく、親の人数がという。ほとんどが二親そろって出席するのだとか。まあ、多くの場合、親元をはじめて離れて暮らすところでもあるし、大学も含めて見ておきたいという気持ちもあるのかもしれないし、なんとなく晴れがましい気持ちで、せっかくなのでという記念日的なお祭り気分みたいなものも、あるのかもしれない。

 出席することそのものが悪いとは思わないし、友人も出席していたし、それはそれなのだけれど、「ぼくら、家族仲良しなんで、まったく問題ないです~」といったふうなことを話していた男子生徒がいたのだけれど、小学生の入学式みたいだなあ、などとも思ったり。

 考えてみると、大学生が小学生レベルの算数もわからないので、基礎的な授業をせざるをえないとかいう話も、以前には聞いたことがあるけれど、現在がどうかは知らないけれど、今の大学生は小学生レベルなのかもしれない、などとも思ってしまったり。というか、親がそうなのかなあ。

 親のために、大学生活のガイダンスを開いているところもあるとかで、「家にはパソコンがないんですが、マックのほうがいいでしょうか? ウィンドウズでもいいでしょうか?」と、母親が尋ねていたり。不案内だから、そう思うのは理解しつつも、ポイントはそこなのか、とちょっと不安に思ってしまったりもする。ウィンドウズでもってあたりに、世の中的ななにかを感じてしまうし。

 社会というか世間というか、いろいろ変化しているのだなあと。

 そんなことを思っていたら、情報化社会はこんなふうにまで発展していたのだと知らされて、驚いたり、感動したり。

 [ 最近の……という話::L'eclat des jours ]

入学が決まった時点(ってことはまだ中学生のときってことだな)で、ミクシィで同じ学校に入学する子を探して連絡を取り合っていたらしくて、いきなり入学式がオフ会なんだよ。

 時代が違うとはいえ、すごいなあ。

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空気のようなものについて知る

 [ Webはまだじゅうろくだ~から~ - アンカテ ]

 なんだか今ではずっとずっと前からあって、もっともっと年数が経っているような気がしてしまう Web も、まだ 16 歳なんだ。しかし、なんというタイミングのこの CM 。あつらえたようなタイミング。まずはやんわりと、そしてしっかりと説かれていく内容。うまいなあ。

これは技術者向けの本で、一般の人が読んだら、わからないことは無いけど無味乾燥で自分に関係ないもののように感じるかもしれない。

でも、たとえば、iPhoneを使っている人は、ぜひこれを読んで欲しいと思う。

iPhoneではブラウザ以外にもたくさんのアプリがWebのプロトコルを使って通信をしている。アプリがiPhoneの画面の裏側で何をやっているか、この本を読んでいると少しづつわかってくるだろう。

 とあって、確かにこれほどほとんどすべての人が、というほどの人が日常的にあらゆるところで Web につないでいる社会にあっては、基礎的なところとして十分理解できなかったとしても、知る努力をしておく必要のある事柄なのだろうなと、なんとなく思った。

 そういう話は苦手で、という人もそうした話題に関心を示すことだけは避けてはいけないのだろうなとも。

 さらには、高橋会長もこの本はいいよと、薦められているので、やっぱり多くの人が読んでおくほうが良さそうだ。なにより、わたしが読みたいと思った。近いうちに読む本に加えておかなくては(その前に買わなきゃならないけど)。

4774142042Webを支える技術 -HTTP、URI、HTML、そしてREST (WEB+DB PRESSプラスシリーズ)
山本 陽平 著、技術評論社 2010-04-08

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 そして、「ケータイで Web って便利~」とか思っている人は、やっぱり何度でもこういうことをきちんと知っておくべきなんだろうな、とも。

[ ”ユニークIDがあれば認証ができるという幻想”高木浩光@自宅の日記 ]

 たとえ公式サイトでも、いまひとつケータイでは Web を使いたいって気持ちになれないのだった。まあ、自分の使い方のなかであまり必要がないからってのも、もちろんあるわけだけれど。便利になればなるほど、見えにくくなるものもあって、そういうものを見ないままにしてしておいて、いざ問題がおきたときに、だからと責任を問うようなことだけはよろしくないとは思うし。

 使うにしろ、使わないにしろ、知っておくべきことが増えてきたのが、現代なのかなあ。

追記:4/13
 そうか、絶対年齢というわけではないのか。なるほどね。と、ひとりごちる。

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足跡

 たまたま回した(という言い方は、今では意味不明だなあと思いつつ。つまり、替えた)チャンネルで Panasonic の CM を流していた。番組中で。2 分という長尺の作品で、たった一回しかテレビ放送していないのだとか。すっかり成人した娘がムービーカメラを手に、あちこち歩いていて、図書館に入る。いくつか本を見ていると、そのうちの一冊から貸し出し票が落ちて、見ると母親の名前が。こんなところにお母さんがいる。といった感じで撮影していて、家に帰り、父親に「きょうね、お母さんに会ったんだよ」とか云って、メモリーカードをテレビに差し込んで再生してみせる。「おまえを大学に行かせるために、好きな本も買わずにいてな」とか父親が言う。といった内容。まあ、図書購入費がどれほど影響するかというのはさておき、なかなかよい話にはなっているのに、一回だけですか、放送は。

 もちろん、それによって話題になるってのもあるのだろうけれど、ついぞ知ることもなかったし、Panasonic のサイトを見ても、すでにその CM はアーカイブにもないようで。せっかく作ってももったいないなあ。いや、それとも Youtube とかにはあるのかな?

 図書館のそんなシチュエーションが使われたというと、内田善美の「空の色ににている」を思い出す。主人公の高校生が図書室に本を返しにいくと、係りの女の子がクスッと笑う。不思議に思うけれど、なんだかわからないまま。そのうちに、彼が借りた本はすべて彼女が先に借りていると貸出票でわかり、「わたしのほうが先に気づいた」というサインだったのだと。

 「この本の続きが出たの知ってる?」「知ってるけど、まだ入ってないみたい」「わたしが、今借りてる」といった会話がその後にあったり。

 図書館とは、もうすっかりご無沙汰だ。


 ああ、絶版。

4088600118空の色ににている (ぶーけコミックス)
集英社 1981-05

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 そういえば、この映画も図書館が絡んできたような。

B00005HSU8Love Letter [DVD]
岩井俊二
キングレコード 2001-03-07

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ひなぎく

 [ マイクロソフト、電子書籍バリアフリー化に向けWord用アドイン無償公開 -INTERNET Watch ]

 そうか、涼さんが資料を作ってあちこち回られているのは、専用ツールの講習のためなのかな? と、ようやく理解しているところ(まったくもって勝手な理解なんですが)。それが、ワードでできるとなれば、手軽ではあるのだろうなあと、おぼろげながら想像。試してみようかと思っても、残念ながら対応するワードを持っていないので不可。それならば、DAISY 謹製のオーサリングツールというのがあるというので、そちらはどうかと思ったら、オープンソースソフトウェアではあるものの、ダウンロードには申請書の提出が必要とか。なるほど。

 ということで、高橋会長(日本 Ruby の会)ではないけれど、再生ソフトウェアの AMIS だけ落としてみた。まったく同様に、いきなりヘルプファイルを読み上げはじめたので、ちょっとびっくり(本当云うと、そう聞いていたので、普段は OFF になっているスピーカーを、わざわざ ON にしたわけではあるけれど)。

 この音声は MP3 ファイルなのか。テキストをリアルに読み上げさせるってわけではないのか。

 で、冒頭のワードアドインについては、さっそくに涼さんが試されたそうで、結果は悪くはないが今ひとつ、といったところでしょうか。いずれにしても遠くない将来的には EPUB3 を視野にいれているような記事でもあるので、まだまだ過渡的なのかなあ、などと。

 先のオーサリングツールの使い勝手がどうであるのかは、知る由もないのだけれど、仕様に沿って XHTML を吐くだけならば、いろいろやりようはあるのだろうなと、またまたおぼろに思ったり。

 そうか、そういう世界だったのだなあと。

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ガメラ

 GyaO! で無料でやっていたので、「大怪獣ガメラ」など見てしまった。むかし昔のその昔に見ているような気がするのだけれど、正直言ってまったく記憶にないから、案外見てなかったのかもしれない。

 それにしても、シナリオが意味不明で無茶苦茶すぎるなあ。最初はこんな感じだったのかあと、まあ、そこはそれなりに楽しめるという。

 北極でアトランティス大陸にいたという巨大な亀を研究しているという日高博士。なにやら未確認飛行機がどこぞかに撃墜されて落ちたらガメラが目を覚ましたという。で、乗ってきた船が破壊されて、乗員はみな死んでしまって、生き残ったのは調査に降り立っていた博士と(たぶん)”美人”助手と新聞記者の三人だけ。「実は、記者のなかの誰が降りるのかくじで決めたんですよ。あなたは僕の女神なんです」とかいう記者とか。

 核爆弾を使ったので(そうだったのか?)、ガメラは死んでいるでしょう、とテレビで答える日高博士。現場にいたあんたらはどうして無事なんですか!とか。

 なぜか北海道に現れるガメラ。灯台付近に出現したら、そこの子供がわざわざガメラの近くの灯台に登り、ガメラが灯台を壊す。宙吊りになって「たすけて~」と叫ぶ子供。手が離れて落ちるとガメラが手で受け止めて助けてくれる。「ガメラはやさしいんだよ」って、ガメラが壊したんだよね? 灯台。

 学校の先生は、その子供が学校に亀を連れてくるのはやめるようにと姉に話すし。ガメラが地熱発電所に現れるというので、日高博士が「わたしに考えがあります」といって、最大出力でガメラに放電(というかガメラが電線にさわる)するが、ダメージがないので「だめだ、すぐ攻撃してください!」と自衛隊だかに言う。しかし、まったく歯が立たないとなると、「米軍に核ミサイルの使用を依頼しましょう」と話し合う。核密約なんてものではないなあ。

 しかし、日高博士。「いや、それではガメラにエネルギーを与えるようなものです。駄目です」とかいっているし。

 最後の切り札「Z プラン」が登場するのは、残り 10 分くらいだったかなあ。あまりにトンデモなプランだし。ガメラを殺さないでと頼む子供が、Z プランで満足しているって、いいのか? Z プランがわかっているのか、などと突っ込み所満載で楽しい。

 うーむ、こんな映画だったのかあ。ってことは、「つよいぞ、ガメラ。つよいぞ、ガメラ。つよいぞ、ガーメーラー」って歌は別のガメラ映画のものだったのかなあ。昭和は本当に遠くなりました。

B000UABX60大怪獣ガメラ [DVD]
角川エンタテインメント 2007-10-26

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 巨大な亀といえば、

B00006RT89トリック -劇場版- 超完全版 [DVD]
東宝 2003-06-21

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バレンタインは雪あそび


4488248071バレンタインは雪あそび (創元推理文庫)
レスリー・メイヤー 訳:髙田 惠子
東京創元社 2010-02-10

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 本が好き!経由で献本していただきました。ありがとうございます。

 日本でのバレンタインもこのごろではだいぶ様変わりしてきた、というのは今年のワイドショーなどでもさかんに話題にされていて、女性から男性へなんておしきせはもうほとんどなく、義理すらもなく、むしろ自分たちで楽しむという傾向が強くなってきたらしい。一方で、アメリカの家庭では、カップケーキなどを焼いたりということが多いらしい。少なくともルーシーのまわりではそうだ。誰彼に送るとかよりも、家族などみなでお祝いする年中行事のひとつといった趣き。そもそも日本においてだって、お菓子メーカーによるキャンペーンにのせられてしまっただけなのだから、そろそろ変化があっても不思議ではない時期なのかもしれない。

 そんなバレンタインを前にした、厳しい冬をむかえたティンカーズコーヴの図書館の新しい理事に就任したルーシー。はじめての理事会に出席するべく図書館に行ったものの、そこで起きたのは、殺人事件。図書館の司書ビッツィが銃で撃たれて死亡しているのを、あろうことかルーシーが発見。犯人は理事のなかにいる可能性も考えられて、ホロヴィッツ警部補からの忠告にもかかわらず、またもや探偵気分で調べはじめてしまうのは、いつものこと。

 相も変わらず、いまひとつ捜査なのかなんだかわからない捜査が繰り広げられるのだけれど、日常の生活が気取りなく描かれていることこそ、このシリーズのよさなのだろうし、そもそもコージーミステリなのだから。調べているようで、話も興味もあちこちに飛び火し、ごくごく断片的な情報は、なんだか誰も彼も怪しく思えるものであったり。一向に推理は進行しないのも、これまたいつものこと。

 とはいえ、今回は以前に比べると混沌さはややおとなしいようにも。もちろん、結末は最後の最後にやや唐突なくらいにやってくるのだが(そしてあまりにも鮮明に)、まずまずそこへの伏線も悪くない。コージーミステリとしては、十分にワクワク、どきどきさせてくれ、微笑ましさやおなか一杯になるような食べ物の話題にもことかかず、きちんと収めてくれるあたりは、実に安心して楽しませてもらえる。

 いわゆる本格ものといわれるジャンルとは違い、トリックを楽しむとかではない分野として、十分にうまくまとまってきていて、そのあたりは作品を重ねている成果なのかもしれない。まさしく、雪に降り込められてしまった寒い日を、暖かな部屋のなかでのんびりとくつろぎながら楽しむのにちょうどよい一冊といったところ。これなら、次回作以降も楽しめそうな予感。



バレンタインは雪あそび
  • レスリー・メイヤー
  • 東京創元社
  • 987円
Amazonで購入
書評

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ライトスタッフ

 映画「ザ・ライトスタッフ」(ライトスタッフとはなっていたけど)を見た。長かった。でも、その長さをあまり感じなかったというのもある。数年前に NHK で放送されたドラマの「宇宙へ」は、米ソのロケット開発者を軸とした話だったけれど、こちらはアメリカの最初の宇宙飛行士となった人々の話。

 いかにして宇宙飛行士候補となる人々が選出されていって、どんなふうに宇宙開発競争に関わることになっていったかが人間味たっぷりに描かれていて、なかなかいいなあ。猿が先か、人間が先かとか。ハッチの存在しないポッドとか。いや、ポッドなんて呼ぶな、宇宙機と呼べ、とか。

 終盤。ジョン・グレンが周回飛行を試みるという発射待ちのところでは、まったく政治家ってやつは、って感じになるけれど、グレンの言葉にスカッとしたり。

 打ち上げ準備の最中に、グレンの自宅では、飛行士仲間の妻たちが集まって、一緒にテレビ中継を見ている。外には多くの報道陣。そこへ、男がやってきて副大統領が夫人と会いたいというが、夫人はテレビにでるなんて嫌だと断る。「わたしは、副大統領だぞ? NASA の上の奴らに言って圧力をかけさせろ!」と言い出す。打ち上げが中止になって、ロケットから降りてきたグレンに、NASA の責任者が近寄り、「電話に奥さんが」と知らせる。グレンが電話にでて、事情をきくと、「いいか、副大統領だろうと、テレビだろうと、きみが嫌ならでなくていい。きみにはぼくがついているよ」みたいなことを言って電話を切る。責任者が怒って「テレビは大事だ。言うこときかないと、飛ぶ順番を遅らせるぞ!」といきまくと、周りにいた宇宙飛行士たちが「順番を遅らせるだと?」と詰め寄ると、「いやまあ・・・」という感じに尻すぼみ。思うようにテレビを通して世間にアピールできなかった副大統領は、車の中で地団太を踏むという。

 もっとも、その後打ち上げが成功し、周回して帰還を果たしてから、副大統領による接待を飛行士たち家族が全員受けるわけにはなるのだけれど。

 というか、そのあたりが事実だったのかどうかを知らないので、よくわからないわけではあるけれどね。

 イエガーの生き様は、それはそれで素晴らしいと思うよ。

 世紀の事業である宇宙飛行でなくても、あらゆる場面で、ライトスタッフというのは試されるんだろうなあ。

B002JQL2L4ライトスタッフ [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ 2009-09-09

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B000H4W96CSpace Race 宇宙へ ~冷戦と二人の天才~ [DVD]
NHKエンタープライズ 2006-10-27

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TSNETスクリプト通信第8号でました

 TSNET スクリプト通信第8号がでましたね。お疲れ様でした。でも、エイプリルフールの刊行だったので、多分あやしいトラップがありそうです(いや、ないんだけど)。

 今回も Ruby/Tk の入門的な駄文を書かせていただきました。まあ、本当に稚拙なものでしかないですが、手軽に GUI をつけられる便利さを感じてもらえるようだとうれしいかと。

 珍しくゲーム 2 題で、どちらもなかなか強力な印象。Yさ さんにあっては、忙しさのなかお疲れ様でしたということで。

 jscripter さんは、相変わらずいろいろ興味の範囲を広げて活発に行動されていて、パワフルです。

 そして、なによりも機械さんの「Python 文法書」。あまりのボリュームに、るびまインタビュー以上の体力を用意してからでなければ、太刀打ちできそうにありません。(しかも、これで終らない!)

 さらに、今回からはデザイン面でもパワーアップ。お疲れ様でした。(詳細は、あとで読みます)

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須賀敦子全集 第1巻


4309420516須賀敦子全集 第1巻 (河出文庫)
河出書房新社 2006-10-05

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もう二十年もまえのことになるが、私がミラノに住んでいたころの霧は、ロンドンの霧など、ミラノのにくらべたら影がうすくなる、とミラノ人も自負し、ロンドンに詳しいイタリアの友人たちも認めていた。年にもよるが、大体は十一月にもなると、あの灰色に濡れた、重たい、なつかしい霧がやってきた。朝、目がさめて、戸外の車の音がなんとなく、くぐもって聞こえると、あ、霧かな、と思う。それは、雪の日の静かさとも違った。霧に濡れた煤煙が、朝になると自動車の車体にベットリとついていて、それがほとんど毎日だから、冬のあいだは車を洗っても無駄である。ミラノの車は汚いから、どこに行ってもすぐにわかる、とミラノ人はそんなことにまで霧を自慢した。

「遠い霧の匂い」

 NHK 教育の ETV 特集での番組を見てから、あらためてきちんと読んでみたいと思っていた須賀敦子。ありがたいことに今は全集が文庫版でもでているので、そちらを読んでみた。この不思議な染み込みやすさは、いったいなんだろう。

 第1巻に収められているのは、「ミラノ 霧の風景」と「コルシア書店の仲間たち」「旅のあいまに」の三冊分。いずれも主には、須賀さんがイタリアで出会った人々との思い出などが語られていて、時に困らされたり、時に支えてくれたり、泣いたり笑ったりしつつ、一緒にひとつの時代を生きていったその空気がじんわりと伝わってくる。

 別にイタリア人特有のなにかが語られるというわけでもなく(もちろん、そういう時もあるにはあるが)、誰もが日々経験するような、かつて経験してきたような、そんな友人・知人との日常が語られるだけなのに、なぜ、こんなにも読ませてしまうのだろうかと。そこに、なにか崇高な命題を見出して、教訓めいたことを訴えるでもなく、須賀さんが体験した事実をありのままに語っているだけにもかかわらず。

 いや、それだからこそなのだろうな。さながら自分がイタリアのその地にいて見聞きしているかのような、登場する人々を目の前にしているかのような、そんな錯覚というか違和感のない世界に取り込まれるような、洗練された文章の魅力。

 その多くは、おそらく何度もなんども考えに考えられ、練りにねられた文章のもつ巧みさとでもいう妙なのだろうなと。

 基本的に一文が長い傾向がある。読点でたくさん区切られているものの、決して読みにくいわけではなく、きちんとつながりを理解させるために吟味してつけられた読点であって、だから、読み手のリズムにしっくりときて、読みやすく、意識せずに理解させてしまうような不思議な魔法のような文章とでもいうか。(というこの文章が分かりやすいかは不明だけれど)

 もちろん、登場する友人たちの人間的魅力にも、多分に影響されているところがあると思うわけで。なかでも、ガッティは特に印象に残る。

 コルシア書店で出版の責任者として活動していた彼は、本職でも出版社で編集をして生活しており、やがて、本職の忙しさや生活のもろもろの事情、さらには彼のみならず書店に関わるすべての人々に起こるさまざまな状況の変化、時代の変化や教会の圧力、などから次第に書店の出版活動が滞るようになっていく様を追うのは、少しばかり切ない。

 思いがけず、自分の子供のような年齢の妹ができることになってしまったできごとを書いた「小さい妹」では、少し想像や印象からは違った彼の姿を見ることになる。とまどいやある種の嫌悪、誤解に対する恐れといったものが、やがて小さな妹の誕生を迎えて、溺愛する愛情や保護する親のような目に変化していく様も、ほほえましくも興味深い。

 そうしてみると、文章の卓越した美しさ・うまさはもちろんのこと、作品としての魅力を与えてくれている大きな要素は、須賀さんが出会った友人・知人の魅力でもあるのだろうな。金持ちもいれば、貧しい者もいる。けれど、金持ちでも不遇な人も多いし、貧しいけれどささやかな幸せに包まれている人も多い。須賀さん自身にしても、当時にして海外留学し、親からの仕送りで贅沢ではないにせよ、困らない生活ができていたというわけで、お金に困る家庭ではなかったのは事実。といって、彼女のまわりに魅力的な人々が集まってきたのは、そうした理由はないのだから、人をひきつけるなにかがあったか、彼女自身がそうしたところへ近づいていける運とでもいうものを持っていたのか。

 それにしてもイタリアでの生活から 20 年以上をへて、よくこれほどに様々なことを覚えておられたものだなあと、感心する。部分的には、覚えていないことは覚えていないとしっかり断られているものの、比較的細かなところまでよく記憶されている印象がある。自分自身のことを思っても、そこまで記憶しているだろうかと、ふとあやふやな想い出をたぐりよせようとしてみるが、それこそミラノの霧ではないけれど、おぼろげな記憶でしかないと、あらためて思う。

 それほど強烈な印象を残すような日々だったのかもしれない。また、時間を重ねることで、醸成されていった記憶が卓越した言葉として完成していった一因なのかも。

 言葉を磨いていくためには、やはりすぐれた言葉にふれる必要があるはずで、それがないがゆえに、平板で無味乾燥な言葉しか扱えない人も増えているような印象もする昨今。現代日本人がぜひとも読んでおきたい名文のひとつ、として永らく読み継がれて欲しいなと、素直に思う。

 ひとつの言語をゆたかに扱えずに、どうして他の言語を習得することなどできようかと。

 おりしも新しい出会いの季節、春。すこしばかり、そうした新しい出会いがあるといいなあ。

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