メモ:須賀敦子
以前から気になっていたものの読めずにいた須賀敦子さん。日曜の ETV 特集で再放送があったので録画しておいたものを見た。生い立ちといい経歴といい、さながら白洲次郎や白洲正子を思わせるようなところがあった人なのかと思う。
書名にもなったコルシア書店とは、なるほどそういうものであったのかとか、帰国してからの廃品回収活動の様子であるとか、ますます須賀敦子という人にたいしての興味を深める時間だった。
すっきりと耳に入ってきながら、実に多彩に響く言葉の素晴らしさにファンも多いようで、日本語・英語・イタリア語などを使っていくなかで醸成された文体なのだと思うと、ご本人が言われていたが、豊かな体験によって言葉にも豊かさが広がっていったのかもしれないか。
言語による表現力を豊にするには、やはりすばらしい言葉・文章にいかに多く触れるかということに関わるのではないかなと、あらためて思う。
まず読むこと、そして書いたり、話したりすること、その書いたもの・話したものを誰かに読んでもらったり、聞いてもらったりすること(当然、話すには相手がいるのではあるけれど)。そうしていくことで自分の言葉を磨いていくことになるのだろうなと。
須賀敦子は 1998 年にガンで亡くなったとか。千葉敦子は 1987 年にガンで亡くなった。ほかもろもろ、どうも「あつこ」さんには縁があるようだ。
60 歳ころになってようやく作家として活動を始められたという須賀敦子さん。実際に執筆にあたることができたのはわずか 10 年あまりでしかなかったというが、その残したものの大きさは計り知れないものだったような。
きちんと読んでおきたいひとりとして追加するべきだな。
#余談:永作博美の朗読もまずまずよかった。
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![]() | 須賀敦子全集〈第3巻〉 (河出文庫) 河出書房新社 2007-11-02 by G-Tools |
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![]() | 須賀敦子全集〈第5巻〉イタリアの詩人たち、ウンベルト・サバ詩集ほか (河出文庫) 河出書房新社 2008-01-05 by G-Tools |
![]() | 須賀敦子全集 第6巻 (河出文庫) 河出書房新社 2007-02-03 by G-Tools |
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