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檸檬

 NHK「ブラタモリ」は好きで見ているのだけれど、最近は少し毛色が変わってきたような印象もある。当初は街中にちょっとした歴史の痕跡を見つけて、かつての姿を想像したりして楽しんでいたという傾向が強かったように思うのだけれど、この頃は歴史や文化探訪という感じで、それなりの場所や建物などを訪ねるという傾向が強くなっているような気がする。

 もちろん、それでもいろいろ発見はあるし、テレビカメラが普段入らないようなところや、一般には見ることができない場所や物も紹介してもらえるので、それはそれで嬉しいし意義はあるのだけれど。

 もう少し探検的な要素が復活すると、身近な場所の街歩きも楽しくなるヒントがあっていいなあとは思う。まあ、それは個人的にやればよいことかもしれないけれど。

 それはともかく。今回は神田だった。湯島聖堂とか聖橋とか出てくると、これはもう檸檬を投げてもらわなくてはなるまい、などと思っていたのだが、果たしてそんなことを思った人はどれほどいただろう。十万人くらいはいたかな?


あの日湯島聖堂の白い石の階段に腰かけて
君は陽溜りの中へ盗んだ檸檬細い手でかざす
それを暫くみつめた後できれいねと云った後で齧る
指のすきまから蒼い空に金糸雀(カナリヤ)色の風が舞う
喰べかけの檸檬聖橋から放る
快速電車の赤い色がそれとすれ違う
「檸檬」さだまさし

 昔のさだまさしの歌は日本語が素敵だった。最近のそれがどうも好きになれないのは、なんだかいまひとつ言葉が軽くなってしまっているような気がするからかもしれない。唯一変わらないのはコミックソング系くらいか。

 あるいは、それはこちらが変わったのかもしれないし、双方が変わったのかもしれない。

 いや、ブラタモリの話だった。

 ところで、あのオープニング映像は「爆笑問題のニッポンの学問」と同じつくりなんだなあと、珍しくミウラ折の三浦先生の回を見ていて思った。もう少し早い時間にこの手の番組をやってくれたらいいのになあ。

B00074C4LM私花集〈アンソロジイ〉
さだまさし
ワーナーミュージック・ジャパン 2005-02-23

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 もう絶版なのか。

B000J86QNSさだまさし時のほとりで (1980年) (新潮文庫)
新潮社 1980-07

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 当然ながら。

4101096015檸檬 (新潮文庫)
新潮社 1977-12

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#ちなみに「さだまさしの夜中にやってるアレ」(<正式名称は別にあり)は 1/30-31 にかけての深夜放送。

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閉じた本


4488154026閉じた本 (創元推理文庫)
青木 純子
東京創元社 2009-12-10

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 本が好き!経由で献本していただきました。ありがとうございます。

 およそ 99% くらいは会話だけで書かれていて、ほんの少しだけ主人公の作家ポールの独白がはいる。会話についてもその大半はポールとその筆記を受け持つことになった青年ジョンとの会話で占められる。いっさいのト書きがないそれはラジオドラマを聞くかのようでもあるけれど、積極的な状況説明がいっさい省かれているという点でいえば、むしろ盗聴でもしているかのようなというほうがより近い。

 無論それは作家であるポールが数年前の事故により失明したこと、それも両の眼球そっくりを失ってしまったということを、読者が追体験するという効果も持っている。読者に分かるのは会話による状況の把握のみ、人の動きや感情の変化といったことも、会話の端々で感じることしかできない。そのもどかしさはまさにポールそのもの。

 それだけに次第に感じられるようになる奇妙な空気のよどみから受ける不気味な感覚は、ポールのものならぬ読者のものともなって知らず知らず物語の世界に引きずり込まれていく。

 次第にどうもこの関係は妙だぞと気づくものの、それがなにを意味するのか、なにが始まろうとしているのかといったことはなかなか想像できないまま物語は進んでいく。

 ここまで来てしまうともはや読者はアデアの手の内に嵌ったも同然。巧みな言葉でいいようにあやつられ、物語の結末へと一気に導かれるよりない。

 終盤で明らかになる展開は意外なくらいにあっさりと進行され、そして最終幕へと引き継がれる。そこで読者が目にするのは物語全体を構成する見事な完結。「閉じた本」というタイトルが幾重にも意味をなして、してやられたと悔しい思いをしたり、その技巧に賞賛の笑みを送ったりすることになるはず。

 と、同時にさまざまに張り巡らされた”恐れ”についても、あらためて感じることになるわけだ。

 訳者あとがきにしろ、解説にしろ、アデアという人物の類稀なる技巧の高さは、ここに留まらないようで、アンドルー・クルミーの「ミスター・ミー」を見事に訳してくださった青木さんの仕事があってこその「閉じた本」でもあるのではないかと。

 残念ながら翻訳はもちろんのこと原著についても入手が困難な状況があるようで、これほどの技巧作品群が埋もれていってしまうのはなんとももったいない。いずれ必ず日の目を見ることを切実に願うところ。

 謎解きのミステリではなく、ひたひたと迫り来るえも言われぬ未体験のサスペンスを味わえる至極の一冊。


#旧本が好き!サイトのドメイン処理の不備により、意図しないリンク先となってしまうということで旧アドレスへのリンクを消去しています。(2012/02/12)

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ドとレとミとファと

 10年あまりも使っているバイオノート。ほとんどがテキスト書いたりエクセルで家計簿つけたりくらいなので、動作的には困るというほどのこともなく使っていたのだけれど、バッテリーが駄目になり、寒さで起動できなかったり、電源が突然落ちたりと、いろいろくたびれてきたのは確かだった(Ruby 使ったりはするけど)。

 で、ここへきて「O(オー)」キートップが取れるようになってしまった。

 はじめはなんだか傾いでいるなあ、くらいだったのが取れてしまい、はめ直すのだけれど使っているうちにすぐまた取れてしまうという。段々とその頻度が激しくなってきて、今では普通にタイプするとまず取れてしまうので、確実に真上からしっかりと押すという昔に戻ったかのようなタイプしかできなくなってしまった。やっぱり不便。

 全体的にキーボードの音がおかしくなっているようにも思うので、やはりいい加減寿命が近いのかとは思う。ということで、買い替えもいよいよ検討中。まあ、できれば安くあげたいので時期を見ているところではあるのだけれど。

 最近のノート PC の省電力ぶりは驚くものがあるので、エコにもなるなあ、などとも思っていたり。

4887470622NHKみんなのうた絵本〈2〉森の熊さん/クラリネットをこわしちゃった
久里 洋二
童話屋 2006-06

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メモ:本(CPU、雑食動物)

 木村さんとこで知りました。Z80エミュレータ付属とか。ちょっと面白そう。CP/M80のエミュレータはいくつか使っているのだけど。

4062576651動かしながら理解するCPUの仕組み CD-ROM付 (ブルーバックス)
講談社 2010-01-21

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 こちらは新聞にあったもの。食用動物(なんて書くとちょっと妙な印象だなあ)の飼育で効率を求めるがゆえに促成飼育をしていくことに弊害だとかを書いているらしい。「安くてうまいはない」との言葉がでていたけれど、販売されているものに関しては確かにそういうところはあるんだろうね。元々の違いと、かける手間の大きさによるというか。

 ただ、原料は別として手作りするということをすれば、「そこそこ安くてうまい」は手に入るとも思う。結局、そこには自分がかけた手間をお金というものではない満足感に置き換えているってことかもしれないけれど。

 読んでみたいと思わせる一冊だな。

4492043527雑食動物のジレンマ 上──ある4つの食事の自然史
ラッセル秀子
東洋経済新報社 2009-10-23

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4492043535雑食動物のジレンマ 下──ある4つの食事の自然史
ラッセル秀子
東洋経済新報社 2009-10-23

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 あ、一応これも。最近はちょっと興味がなくなってきているけど(すみません。高橋会長のようにはなれません)。(たぶん、文庫落ちしたら買うかも)

4103858028もいちどあなたにあいたいな
新潮社 2010-01-20

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大陸と海洋の起源


4061589083大陸と海洋の起源 (講談社学術文庫)
竹内 均
講談社 1990-01

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 先日の NHK 「メガクエイク 巨大地震」を見ていて、いい加減読まなくてはとまた思い出したのでようやくにして読んだ。何度かパラパラとは見ていたものの通読するのは初めてのこと。

 今となってはあまりにも有名な大陸移動説。地震のメカニズムを説明される際によく取り上げられるので、なんとなくイメージできる人も多いはず。もっとも元々は地震研究からでてきたというわけでもなく、現在の地球に存在する大陸がなぜこのような形と配置で存在しているのかといったあたりからはじまった様子。

 現在、海底になっている場所も、過去には陸地であったかもしれず、沈んだり隆起したりの結果が現在であるという説があったらしい。ただ、これでは両者のバランスがとれないだとか、そこまで大きな動きをもたらすのはなんによるのかとか、さまざまに疑問がでてくるといったあたりをウェゲナーがひとつひとつ論証していく。

 当時の研究者が発表した多くの文献にあたりながら、さまざまな方面からそれらの説や自身の大陸移動説について検証を事細かに進めていくので、非常に丁寧すぎるほど細かく論証していく。気候や生物、地質、大陸棚を含めたジグソーパズルなどなど。正直あまりに細かすぎて疲れてしまうくらいに。

 実際、一般向けの書物というには難があって、かといって論文というほどでもないにしろ、どちらかといえば論文的な色が濃い内容といっていいかもしれない。そのために一般の読者が読むにはやや苦労するというか、たいくつするという嫌いはあるかも。

 ただ、幸いにして翻訳にあたった竹内均さんが、それぞれの章ごとに解説を載せてくださっているので、そこを読むことで概略を知ることができる。あとは適宜拾い読むということでも良いかもしれない。

 書かれた年代もさることながら、翻訳そのものもやや時間が経過してしまい、内容として古い部分もあるいはあるのではないかと思えば、最新の情報による関連書などもあわせて読むとより理解が深まるのかもしれない。

 しかし、そうして思うとよくもこんな不思議な形の世界が出来上がったものだと思わざるを得ないなあ。そして、地球のある限り地震とは切っても切れない関係が続くのだなとも。

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冬のお役立ち

 暖冬という予報の割りに寒いじゃないか、という声が聞こえたり、ここ数日は春の陽気になってしまったりと、なかなか複雑なこの冬。ただ、寒暖の差が激しいだけで、全般的には暖かい傾向であるとは思うのだよね。寒気の入り方が西よりからということで、九州方面などで思いがけない大雪や寒さにみまわれたという経過はあるにしても。

 とはいえ、やはり冬は寒い。寒いときは寒くなければ意味がないし、いろいろ工夫して乗り切るというのも必要。楽しめるようなら一番ではあるけれど、まあ、そこまでいくにはなかなか厳しいか。

 近年役にたっているのが断熱シート、電子レンジで繰り返し使えるゆたんぽ。ここに当然ながら毛糸の帽子が加わったりする。いずれも就寝時の必需品。ただ、この冬は断熱シートまで必要になる冷え込みはあまりない。使ったほうが暖かいのは確かなのだけれど、どうしても朝の結露の始末が面倒で。これがなければ最高の商品なのだけれどねえ。やはりゴアテックス素材を採用して欲しい。

 ゆたぽんも二年目となるとやや持続性が落ちるような印象があって、使用回数にはやはり限界があるのかとも思うのだけれど、断熱シートを併用することで持ちがよくなるというのもわかった。

 ゆたぽんなど電子レンジで加熱して使う湯たんぽは、説明をよく読んで指定された過熱時間を守るようにしましょう。爆発事故など起こさないためにも。正しく使うのが快適に使うための道。

B000VL9HM0スペース暖シート シングル (2枚付) 
(株)アッドフィールド

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B000FP3P3Y白元 レンジでゆたぽん
白元

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パンもどき

 考えてみるとホームベーカリーのことを考えてから一年あまり。そのうちに炊飯器でもパンができるよってな話を目にしてクックパッドあたりを見ると、確かにたくさんレシピが出ているので試してみるかと粉など用意していたのが昨年の話。

 なんとなくきっかけがなくて後回しになっていたのだけれど、ここへきてようやく試してみた。とはいえ、実は今回が二回目。一度目は配合をうっかりしていたためにやや残念な結果になったのだった。食べられる代物ではあったけれど。

 ということで仕切り直しの今回はそこそこ。先日作った餡もあるので包んでみたものの、なかなか難しい。イーストとかベーキングパウダーとかないので、お手軽という意味でホットケーキミックスと小麦粉を使うという手法を採用。そこへ少々の重曹も入れてみた。ホットケーキミックスと小麦粉は 2:1 くらいの比率。本当はしっかり量るべきなのだろうけれど、割とアバウトにやってしまった。

 そこそここねたけれど、寝かせるでもなく、すぐに炊飯器の内釜にいれてスイッチを入れ、およそ 40 分ほどで切れたので確認。パンというか饅頭というか。そう、昔食べたような自家製の饅頭に近い雰囲気かな。

 簡単な割にはおいしいので、しばらく機会をみて試行錯誤してみようかと。

20100117b


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サム・ホーソーンの事件簿Ⅵ


4488201091サム・ホーソーンの事件簿VI (創元推理文庫)
木村 二郎
東京創元社 2009-11-30

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 本が好き!経由で献本していただきました。ありがとうございます。

 不可能犯罪シリーズということで、概ね密室事件がちいさな町に頻発。手を変え品を変えてトリックを披露してくれる。30 ページ程度の短編ばかりなのでちょっとした時間に楽しむにはちょうどよい短編集。

 まあ、町の人々がすべて顔見知りのような小さな町でそこまで事件が起きるかとか、30 分 50 分で毎週事件を解決してしまうアニメやドラマのように抜群の観察とひらめきであっさり解決してしまうとか、いろいろ思うところはないではないけれど。

 なんとなく終始違和感を覚えてしまうのは、あまりにも単純にトリックも犯人もわかりすぎてしまうこととか、多少無理があるような解決に思える事件もあるせいなのかもしれない。

 ある意味ではこの作品が書かれた年代がやや古いというのも関係するのかもしれないかな。

 とはいえ、ちょうど第二次大戦勃発から終わろうかというあたりの史実と合わせつつ語られるあたりは、面白い味付けにはなっている。昔語りのスタイルでホーソーン先生自身によって語られるというのも親しみやすく、軽い感じのこの作品には似合っている。

 謎解きを楽しむというよりは、この町の物語を楽しむということでいえば、近年増えたコージーミステリの雰囲気を持っているというほうが近いかもしれない。ちょっとした空き時間の退屈しのぎにはちょうどよいともいえるか。

 それぞれの短編は独立しているので、順に読まなくては話が見えないということはないようだけれども、歴史の時間軸を織り込みつつ時代を経ていくことを思うと、もしも興味があればシリーズはじめから順に読むほうが面白いかもしれない。

 しかし、いずれにしてもこれほど多くを書いたというのはたいしたものだなというのは間違いないか。ホーソーンシリーズは全6巻72話あるのだから。

 ちなみに訳者の木村二郎さんと解説を書かれている木村仁良さんは同じ方という理解でよいのだろうか。


#旧本が好き!サイトのドメイン処理の不備により、意図しないリンク先となってしまうということで旧アドレスへのリンクを消去しています。(2012/02/12)

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両面テープ捜索中

 濡らして拭くと汚れがよく落ちるという布のついたお風呂掃除用のスポンジ。さすがにその布がスポンジから剥がれてきてしまったので、なんとかしたい。

 手持ちの両面テープを一度使ってみたものの、しばらくすると剥がれてしまった。あれこれ探すとスポンジ用とか耐水性のものもあるらしい。ということで、このあたりを探しているのだが、なかなか最寄の店に見つからない。

 そうだ、今ならアマゾンは全品送料無料中ではなかったか! と思ったのだが、アマゾン発送商品ではないので駄目だった。残念。もう少し探してみるとするか。

#新しいのを買ったほうが早くて安いという意見もあるか。でも、それじゃもったいないお化けがでるよ、という声もするのだよね。

B001CQWN4Wナイスタック スポンジ両面テープ NW-G15S
ニチバン

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始まりは下からだったのかも

 フィデルマ効果のもうひとつ。あるいはこれが先日の「洋書の背表紙の文字の並びの向きの違い」の理由ではないかという発見が。

アイルランド人の書物の収蔵方法は、本棚に立てて並べるのではなく、羊皮紙の書籍を一冊ずつ、あるいは数冊一緒に、書籍用の革の収納鞄に入れて、図書館などの壁に打ち込んだ釘に吊るす、あるいは鞄ごと棚に載せる、という方式であった。このような書籍用鞄は、本を持ち運ぶ際にも、よく使われた。キリスト教の布教に努める聖職者にとって、福音書、聖務日課用の祈祷書、その他の書物の携帯は必須であるため、布教者用に肩紐で肩にかけて使用する書籍鞄も、考案されていた。

(「蛇、もっとも禍し(上)」P.53)

 鞄に本をいれるときどのような向きでいれるだろうかと考えると、ふたの閉まる側、肩から下げるイメージであれば体にあたる面ではなく外に向いている面、こちらに表紙がくるような入れ方になるのが多いのではないかと。ちょうど壁に鞄を下げたときに表紙が手前にあるという形。

 この状態で中の本を確認しようとすれば、ふたを開いて背表紙を見るときに、文字の並びは「下から上に」の向きになる。棚に置かれた場合はどうかといえば、重なった状態ではどのみち確認できないので、いったん取り出して開くと考えればあながち不便というわけでもない。

 とすると、アイルランドあるいはケルトの影響を受けた地域で、下から上の文化が伝承されたという可能性があるのではないかと。

 あるいはそもそもが「下から上」だったのが、本の種類も数も多くなっていき、棚に直に並べる習慣がでてきたことを受けて「上から下」が出現してきたのか。(イギリスはともかく、カナダとアメリカあたりが上からであるのは、新しい文化・習慣が生まれたとしても不思議ではないような)

 なにかそんなことを想像させる発見だった。

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世界宗教史


4480085602世界宗教史 全8巻セット (ちくま学芸文庫 エ)
筑摩書房 2000-10

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 なかなか読めないので後回しになっているけれど、ちょうどよい機会なので記録としてメモしておこう。

 かつてちょうどこういう本が読みたいと思っていたところに降って涌いたように出版されたので思わず買った。当時は全3巻だったが、後に見込みが立たなかった4巻が刊行されることとなった。箱入りで買ったのでなんだか調子があわないので困ったなあと思ったまま、まだ4巻を入手してない。

 もっとも、今ではちくま学芸文庫になってしまったので、4巻だけは文庫にするかというのも可能なのだけれど、ますますチグハグになってしまうかなあ。

 残念ながら本書のあとにもっと簡易で一般の人にも読みやすい一冊ものを書きたいという予定をもたれていたエリアーデなのだが、思いを果たす前に(というか、そもそも本書の執筆段階ででもあるけれど)亡くなってしまった。

 いい加減に読まなくてはなあと思って読み始めていたところなので、しばらくはぼちぼちと続けていこうかと。

4480340017石器時代からエレウシスの密儀まで 世界宗教史1
荒木 美智雄
筑摩書房 1991-06

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4480340025ゴータマ・ブッダからキリスト教の興隆まで 世界宗教史 2
荒木 美智雄
筑摩書房 1991-09

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4480340033ムハンマドから宗教改革の時代まで 世界宗教史3
荒木 美智雄
筑摩書房 1991-12

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 問題はこれだな。

4480340041諸世界の邂逅から現代まで 世界宗教史4
I.P. クリアーヌ
筑摩書房 1998-12

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蛇、もっとも禍し


4488218121蛇、もっとも禍し上】 (創元推理文庫)
甲斐 萬里江
東京創元社 2009-11-10

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 本が好き!経由で献本していただきました。ありがとうございます。

 まずもって訳注のあるミステリというものがかつてあっただろうか、というあたりで驚いた。七世紀アイルランドを舞台にしているということ、さらに修道院など当時の宗教環境にかかわる事件であることもあって、理解を助けるためにもこれらの訳注は必要不可欠といっていい。

 物語の随所にでてくる用語などについては物語のなかで自然に説明されるのだが、それが本当に自然でいかにも説明しているというふうもなく、それでいて古の言葉の解説というふうでもなく、実に自然に物語に調和していて読み手を阻害しない。これはひとえに作者の文章力の高さと、困難な翻訳を見事になしとげて古きアイルランド世界を現代の日本語に融合させたとでもいうような翻訳作業の妙といっていい。

 歴史的な背景を映し出すためもあるとはいえキャラクター造型もすばらしく、このキャラクターなくして物語はなりたちえないであろうと思わせる。主人公であるフィデルマなどはあまりに理知的であり、やや傲慢にも感じられる部分もあるにはあるが、人としての弱さのようなものも本作にはあってホッとする面も。前作までにはあまりなかったことらしい。

 物語は修道院の井戸から若い全裸女性の遺体が見つかったことに端を発する。ただ、その遺体には頭がなかった。体には虐げられたとおぼしき痕。手にはなにやら暗示するかのような磔刑像十字架を握り締め、腕には古代文字の記された木片がくくりつけられて。その木片はフェーと呼ばれる墓穴の寸法を測るのに用いられる道具。

 それらの謎を探ろうとしていくと、修道院の中でも外でも、この地には邪悪な空気が満ち満ちていることが見えてくる。どの者も狡猾な蛇のように見えてくる。どの言葉が確かで、どの言葉が偽りであるのか。ひたすらに事実を積み重ねて全容の解明を図る展開は、さながら冒険小説のよう。

 調査のさなかにもさらに一人が同じような姿で殺害されるにおよび、修道院の緊張は極限にも達し、宗教的な背景もうけて事件は混迷を増す。

 やがて冒頭にあった無人商船をめぐる事件と、それらが融合して事件の全容が見え始める。

 結末にいたる過程も実に見事に組み立てられていて、全体で 600 ページあまりの長さにもかかわらず、なかなか読む手を止めさせない。現代のわたしたちには到底想像もつかない古の物語であるのに、その時間的・空間的距離を感じさせることなく、むしろこの舞台でなければなりたちえない大いなる物語の魅力にすっかり取り込まれていく。フィデルマ恐るべし、トレメイン恐るべし。

 さて、物語のなかでは触れられなかったがアイルランドにおける「切断された頭」には意味がある。事件の解明においては十字架やフェーなどと同様に、修道院に対して恐怖を与える効果を狙ったものといったことしか語られない。キリスト教に改宗されるまえの古きアイルランドの教えのころの地域の歴史や、アイルランドの法ではなく別の法との確執なども事件に影響してくることを思うと、触れられてよかったのではないかとも思うのだが、それはなかった。

 それは古きアイルランドを含むケルトでは、頭蓋骨崇拝があったということ。姿の見えない古の異教の影におびえる恐怖を示すにはかっこうのものかと思うのだが。暗にそうした意図も含んでいたのかもしれないけれど、時代背景と物語の特徴を考えればもったいないようにも思う。


教会による禁止にもかかわらず、「切断された頭」に対する崇拝は、中世の伝説やイギリス・アイルランドの民間伝承で重要な役割をはたした。

(中略)
ケルト人のあいだでは、頭蓋骨はまずもって神から授かった聖なる力の集積所であり、その持ち主をあらゆる危険から保護するとともに、健康や財産や勝利を保証するものであった。
「世界宗教史2」(ミルチア・エリアーデ)


 もちろんそれはごくごく補足的な事柄にすぎない。卓越した文章力と構成の妙に水をさすものではまったくないので、素晴らしきフィデルマワールドを存分にご堪能を。


 既刊もぜひ読みたい。

4488218075蜘蛛の巣 上 (創元推理文庫)
甲斐 萬里江
東京創元社 2006-10-24

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4488218091幼き子らよ、我がもとへ〈上〉 (創元推理文庫)
Peter Tremayne
東京創元社 2007-09-28

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4488218113修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集 (創元推理文庫)
甲斐 萬里江
東京創元社 2009-06-20

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4480340025ゴータマ・ブッダからキリスト教の興隆まで 世界宗教史 2
荒木 美智雄
筑摩書房 1991-09

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鉄人から達人へ

 札幌 Ruby Kaigi 02 のビデオが公開されたというので、見てからにしようかと思ったのだけれど、なんだかついつい後回しになってしまってまだ見てないうちに忘れてしまいそうなので、メモ程度に書いておこう。

 高橋会長が「達人出版会」という企画を発表されたようで、PDF による書籍販売を計画されているらしい(大雑把にいうと)。

 なるほど、近年の出版状況を思うに、ひとつの解なのかもしれないなとも思う。昨年の Kindle の話題ぶりにも触発されるところがあったのかもしれないかな。

 といって紙の本が不要とか消滅するとかってことではなくて、その需要は確かにあるわけで、いわば住み分けが今後進むといろんな意味で有益なのだろうなと。

 出版界で変えなくてはいけないことはいくつかあるのだけれど、それはいずれ。

 で、この企画。実のところ河野さんがすでにはじめられたハブメディアにも通ずるものがあるのではなかろうかと。あるいは、協力体制が組める部分もありはしないかと思ったりしています。ま、それだけだったのだけれど。

#どこがメモ程度なんだか。

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PC-BSD 8.0-BETA

 [ PC-BSD 8.0-BETA Released::PC-BSD - Home ]

 Thomahawk Desktop 2.0 BETA が年末になって公開されたと思ったら、PC-BSD 8.0-BETA が 2010 年早々に公開。

 plasma でもバグフィックスがあったという KDE 4.3.4 ということなのだけれど、どうも PC-BSD 7.x で発生していた日本語環境におけるクラッシュとは関係ないような印象も。どうなのだろう。

 しかし、どんどんファイルサイズが肥大化していくような。まあ、余分なものも多く含まれているわけではあるけれど。いずれテストしてみようかな。

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すべてのものには意味がある(たぶん)

 [ つらつらぐさ II - 年末特番::更新日記 - 日曜プログラマのひとりごと ]

 大晦日に特番を組んでもらったようです。いやはや。

 「パイレーツ」は献本のあったときには、すでに書店に並んでいたわけで、なんとも微妙な感じももったのでした。恥ずかしながらクライトンを読むのは初めてだったような記憶が。「アンドロメダ病原体」とか、ずっとずっと昔に読みたい本としてリストしていたことはあったのに、いつの間にかそのままになってしまっていたという。

 今回の作品については、巷間いろいろ言われることはあるのでしょうが、まあいろいろ言っても始まらないというのが正直なところではとも。使者に鞭打つようなことはしても始まらない、というか実際のところ本意ではないのかも知れず。といって、楽しめる読み物ではあるので、機会があれば楽しめると思います。ただ、2000 円弱という価格はちょっと厳しいのではというのは避けられないところかも。

 Ruby/Tk のボタン現象については、なるほどと。試してみたら確かにそれでもいけますね。というか、まあ同じことではあるのでしょうけれど。いずれにしても、初期化しておくという作業ひとつとっても、単純にすればいいというものではなくて、きちんと考えないといけない部分はあるのだということなのかも。最初のはいかにも手抜きな感じでしたから。反省。

4150102082アンドロメダ病原体 (ハヤカワ文庫 SF (208))
早川書房 1976-10-19

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つきぬける

 なにやらさる方面で話題の「とめはねっ!」ですが、今月から NHK でドラマ放映されるとか。年末は盛んに番組宣伝してました。(余談ではあるけれど、NHK は年末になるとやたらと番組宣伝の時間枠が増えすぎるのがどうも。さらに年末特番の再放送を繰り返して時間を稼ぐのもどうも。結果としてニュースの時間が極端に短縮されるのは公共放送としてどうよ? という)

 で、民放でもやたらと女子高生の書道部の扱いが大きくなっているわけですが、今朝の NHK でも埼玉の女子高校生が実演をしていた。いやまあいろいろあっていいとは思うのだけれど、なんか違うなあと思ってしまった。ダンスと書道が一体化できてないんじゃなかろうか。どうしてもダンスしないとすまないなら、書をかいているときもリズムに乗って書いて欲しい。書き出すととたんに動きが止まってしまうのは、かえって無駄なものを取り入れていると自覚しているようにも見えてしまって。

 「手筋がよければよいというものでもなく、悪くてもよいのである。書に興味があったら誰でも書いたらよい。」といわれたのは中川一政さん。

 書き続けていると、下手は下手なりにそれなりになってくるものだと、深夜のさだまさしも言っていた。実際、そのとおりだと思う。

 しっかりとリズムに乗って終始楽しそうに書けたなら、本物なのかもしれないなあ、などとも思いつつ。

409151197Xとめはねっ! 鈴里高校書道部 1 (1) (ヤングサンデーコミックス)
小学館 2007-05-02

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B000J80PRQ中川一政画集88 (1981年)
講談社 1981-02

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雪寅

 大雪警報も出ていたとはいえ、それは山沿いのことで、今回のこの寒波を気圧配置や寒気の流れの図など見ていても、日本海沿岸部での影響が多そうだというのは予想したとおりの感じだった。山を越えてこちら側にはさほどの影響はなかった。

 もちろん気温は上がらないし(きょうは真冬日になりそうな気配だし)、昨日から吹雪いていて、今朝方は 10 センチあまりの積雪だったわけでもある。昨夜は少し遅く寝たけれど、早々に起きて雪かきをした。年賀状配達の自転車部隊のためにも。

 一日陽射しを見ることもなく、強くはないが終日雪の舞う元日となった感。雪の朝。

 ところで、がってんのつきたて餅再生方法。ついてない餅を買ったので、もちろんつきたてに再生されるはずもないのだが、結構これはエコな方法でもあるかもしれない。

 網で焼いたり、トースターで焼いたりするとどうしても時間もかかるし、仮に短時間で焼けたとしたらそれだけ強力な熱で焼いているわけでもあって、相当の燃料を消費していることになるけれど、がってんの方法だと加熱しておいたあとは 30 秒だ。で放置しておくと柔らかく仕上がってくれる。

 もち米粉を溶かして型で固めました。という餅でも柔らかさの具合はすこぶるよくて、焼くよりも短時間でお手軽というのがなかなかよい感じ。まあ、この場合はあえてパック餅にする意味はないので(保存という観点は別として)さらに安いバラのものでも構わない。きちんとついてある餅であるなら試す価値はありそうな感触。

 しかし、年取り魚を焼くでもなく、煮物を作るでもなく、まして黒豆など煮るわけでもなく、出来合いのオードブルなどを並べてすませる年末年始しか知らない子供たちの行く末に、一抹の不安を覚えないではないなあ。

 変わっていく姿こそこの国、なのかもしれないけれど。

 なにもかもを包み込んで、雪は降り積む。

 確かに情念だけの世界かな。国技館の姿からはかなーり、遠い。

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 虎じゃないのが残念。

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