ロジーとノミー
[ エコ消費について考える | マーケティングis.jp ]
エコロジーとエコノミーをうまく対比しているのが面白い。実際購買行動としては大多数がそういう理由だよね。(で、以下は本論であるマーケティングとは離れてしまったつぶやきです)
本当に孫子の代のためによりよい形で地球環境を残すべきだと考える人たちばかりであれば、金銭的なことうんぬんでなくてよりよいほうへ投資するだろうし、省けるものは省く努力もするでしょう。
基本的に車は持たず、近くへは歩くか自転車を利用し、遠出をするときには公共の交通機関を利用する。食品もできるだけ地元でとれるものを優先し、輸入品などについても可能な限り近い地域からのものにとどめるとか。まあいろいろ。
けれど現実には、エコカーといわれる車を購入はしても自家用車を持たない選択をするわけでもない。排出量が以前よりは減るのだから、まあいいじゃないかという妥協点。もっとも、地域や生活状況などで自家用車をもたずには生活できないという人もいて、そういう暮らしをささえる基盤というのは不十分だったりもするわけだ。歩いたり自転車で日常の買い物に行こうとしても山間部であったり、年齢だったり、健康上の問題であったりで、とてもそうはいかない事情をかかえている人は少なくないはず。
政府のエコポイント制度にしても奇妙な話で、本当にエコを目指すのであれば、たとえば大型テレビなどは禁止にするくらいにしてもよさそうなものなのだけれど、大型薄型テレビほどポイントが高い。液晶テレビなどは以前よりも消費電力が抑えられてきているとはいえ、画面が大きくなればそれに比して消費電力が大きくなるのは避けられないことで、より大型への買い替えが増えている現状は消費電力を拡大しているような面もあるのでは。
もちろん、これまでブラウン管のやや大きめのサイズを使っていたとかで、画面サイズはさらに大きくなったが消費電力的には同等程度だという例もなくはないだろうけれど、今般のエコポイントの動きはどちらかというと地上デジタルへの完全移行をもくろみとする買い替え助長のための方策という面が大きいような。デジタル放送で画面比が横長になってしまっているために、たいていはこれまで使っていたテレビよりもサイズをいくつか大きくして購入するようになるし、どうせならよりポイントが高いものにと境界あたりで考える人もいるのでは。
本当にエコというなら、全体として無駄を省くため消費電力の小さなものを対象にするってものなのかと。電気はエコだといえるかといえば、まだそうでもないわけだし。真の意味でグリーンなエネルギーであったとしても、無尽蔵に使っていいという考えは危険だと思う。
冷蔵庫もまたしかり。中型とでもいうような 300L 前後の製品は昔よりも消費電力が極端に大きくなっていて、大型の 400L を超えるような製品ではぐっと抑えられている。が、大型は 20 万円弱はするものばかり。あとはより小さな 200L 以下の製品はそもそもが小さいので消費電力が小さい。家庭によって必要とする大きさも違うだろうし、使い方による違いもあるだろうけれど、中程度の大きさのこの怠慢はなんなのだろうと思ってしまう。つまりより大きなものを、より高いものを買えということなんだろうか。
ひとつには家電メーカーに金が落ちるように国がすすめているという見方もできてしまうわけで。
消費者の大半はエコ優先で考えているわけではなく、実質的に安かったり、安さを感じるような仕組みがあることで購入を考え、政府や企業もエコは見栄えであって、安さを感じなおかつエコな印象をあたえる方策でいかに消費を増やさせようかと腐心している、ってな感じ。
現代においてはエコを標榜してエコエコ言っているだけで生きていけるような社会ではないのだから、仕方ないとはいえ、見せ掛けのエコで浮かれていても結局よくなるものではないとも思うのだけれど。
とまあ、これは消費をテーマに考えているわけではなくて、エコをテーマに考えているということになってしまうか。
理想をいえば、エコでないものほど高く、エコなものほど安く買えるような状況であればより推進されるし、消費もされるのだろうけれど。結局たしかなビジョンや意識がないから中途半端なものにしかなれないというのはあるのかも。
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