ひとつの結果(2)の2
ちょっと取り急ぎな感じになったので、あるいはあとで修正するかも(と予防線を張っておこう)。
藤岡さんが囲みで書かれていて(またちょっと更新されているような印象もありますが(だって更新日記))、気になったのは、次の箇所です。
おもしろかったのは、折り曲げたティッシュの両端の水面からコップの上端までの距離によって毛細管の流れの方向が決まるということ。距離が短い側から長い側に流れる。
長い側の方が重力の影響を大きく受けるからだ。
そうだろうなあと思いながら試していたのだが。
ティッシュの両端の液面からコップの上端の距離が等しくなると水は流れなくなる。
説明しやすくするために実際にはない改行を入れてあります。1行目の意味がちょっとうまく読み取れないところもあるのですが、まあそれは置くとして、2 行目 3 行目がちょっと気になりました。(あ、水面より上になっている部分の長さを比較しているわけか)
たとえば、先にも出した次のような配置だった場合に、水が右から左に流れようとしているという意味に取れるのです(この図では右側のティッシュはコップ内の水には触れていないので、ティッシュが含んでいる水分だけではありますが)。
仮にこれが重力の影響で、すなわちティッシュの長さが長いほうがたくさんの水分を含んでいるので相対的に重くなっていて、そちらに流れようとしているのだとすると、はじめに空のグラスに移っていった水はなぜ反対の動きをしたのでしょう? 重力の影響は同じはずです。
実のところ毛管現象の発生するリクツを思えば、重力で落ちる(流れる)というわけではないだろうというふうに予測できるのではと思います。
で、たとえばということでこんな実験をしてみました。平らなところに置いた二つのコップにティッシュを渡してあります。一方を長く、一方を短くしてあります。また、あえてどちらもコップの底には届かないようにしてあります。このティッシュの真ん中に上においたコップからティッシュを垂らしておき、上のコップに水を入れます。
もしも長い側のティッシュのほうへ流れようとするのであればそちら側だけに水が落ちるでしょうか? (まあ、厳密にはちょっと意図するところが違うとは思うのですが、面白そうなのでやってみました)
左が先に水面に接する
右も水面に接する
水の供給を止めた後
左側のティッシュ先端が先に水に沈むのですが、左向きの流れができて水が左に集中するということはなく、どちらも同じ水位を保ったまま完了します。最後の写真は直前の写真の段階で上のコップからのティッシュを外してあります。(上から供給しているので、まったく同じに考えてよいものかは疑問があるでしょうけれど)
重力ははじめから終わりまで常に同じに影響しているので、水が隣に移動したのも、そしてその移動が止まったのも、移動させるために必要だったなにかがなくなったためと考えるのが適当なのではないかと、わたしは思います。
水が流れようとする向きを変えたのではなく。
この話とはまったく同一に扱うにはやや難があるかもしれませんが、紐でつながれた球を直角三角形のようなところに置いた永久機関が過去に考えられています。(「永久運動の夢」アーサー・オードヒューム所収)
左斜面のほうが長いので球の数が多く、当然左側が重いので回転するはずだ、というものですが、まあさまざまな要因でそういうことは起こりません。
そんなわけで、先の重力うんぬんの考察はちょっと違うのではないかな、と思っているしだいです。
追記:
もしも水面より上のティッシュの長さによる重力の影響の大小で水の流れる向きが変わるのだとすると、そもそもはじめに吸い上げられたところで隣のコップ側にまで進もうとしないのではないか、という考え方もできそうです。
仮にそれは毛管現象(表面張力)のほうが大きいからというのであれば、なぜその後重力の影響のほうが勝ってしまうのでしょう。ということにもなりそうな気がします。
あなたの結果を教えてください: つらつらぐさ
標準モデル結果: つらつらぐさ
主催者側の発表: つらつらぐさ
ひとまずきれいな画像をあげなおしておきます: つらつらぐさ
ひとつの結果: つらつらぐさ
分かっているのかなあ: つらつらぐさ
ひとつの結果(2): つらつらぐさ
ひとつの結果(2)の2: つらつらぐさ
意見には個人差があります: つらつらぐさ
Cのための2つのモデル: つらつらぐさ
問題の問題と回答の怪と: つらつらぐさ
LE PETIT PRINCE: つらつらぐさ
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