分かっているのかなあ
先のようやく届いたメールの内容で、はたしてきちんと理解されているのだろうかと思うところがある。
「表面張力が重力に勝っているため、水が落ちることはない」ということはないことが分かりました。頂いた資料の永久機関のガラス管とは違い、ティッシュの場合は先端が濡れてグラスに張り付くため、水は下に落ちました。
わたしが説明したのは、空のグラスに渡されているティッシュ先端の位置が、水の入っているグラスの水位との関係によって、空のグラス側に水が落ちるかどうかが決まるということであって、「ガラス管で落ちないように、ティッシュでも落ちることはない」といったわけではないのだけれどなあ。(ガラス管であっても落ちるように位置関係を用意すれば落ちるわけです)
つまり理解できていない。ゆずりにゆずってわたしの説明が不十分だったのだとしても、大学卒業しているはずなのに、その理解力・基礎学力はちょっと哀しいのでは。
ちなみにガラス管の図とは次のようなもので(「マックスウェルの悪魔」都筑 卓司、所収)、
毛管現象による場合に、このような水位と毛管の端との位置関係では、水が落ちることはないですよ、ということの説明。下図のような位置関係では水は落ちませんよ、と。(あとで書いたように、この図をあらためてメールで送った)
そこから翻って、出題者の回答の、
2番目、3番目に垂らしたティッシュは長くても短くても構いません。水位とも関係ありません。
ということを考えると、毛管の端(すなわち空のグラス側のティッシュの端)の位置が、上側にある水の入っていたグラスの水位よりも高くなっても(先の図面のような配置)水が落ち続ける、ということになり、それは間違っていますよ、ということなのだが。
もちろん、大学卒業といっても「わたしは文系なので」というかもしれない。「理科は苦手で」という人も少なくないとは思う。ただ、それでも十分に文意を読み解く国語力はあるのだと思うのだけれど。一応新聞社の人間であるのだし。
あらためて図面(直前の sample1 )を添付してメールしてはおいたけれど、はたしてきちんと理解してくれるのだろうか。
というか、科学関係の記事を担当するのに、科学の素養がなくては、出稿元にいかようにも丸め込まれるわけか。
とはいえ、一番悪いのは科学で嘘をつく輩(出題者)ではあるのだけれどね。(というか仮にも「実験クイズ」を記事にするような人がなぜこんな間違いをするのかが信じられない)
あなたの結果を教えてください: つらつらぐさ
標準モデル結果: つらつらぐさ
主催者側の発表: つらつらぐさ
ひとまずきれいな画像をあげなおしておきます: つらつらぐさ
ひとつの結果: つらつらぐさ
分かっているのかなあ: つらつらぐさ
ひとつの結果(2): つらつらぐさ
ひとつの結果(2)の2: つらつらぐさ
意見には個人差があります: つらつらぐさ
Cのための2つのモデル: つらつらぐさ
問題の問題と回答の怪と: つらつらぐさ
LE PETIT PRINCE: つらつらぐさ
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