油屋ごはん
油屋店主の旨いものレシピ 油屋ごはん 青木 絵麻 アスキー・メディアワークス 2009-01-13 by G-Tools |
本が好き!経由で指名献本していただきました。ありがとうございます。
栄養素である脂質という言葉を見てもわかるように、脂というのは旨みを持っているもので、そこにはまりすぎるとやはりそれは肥満の一因ともなるであろうし問題をはらんでいるわけであります。
一方で体を作り維持していくためにさまざまな栄養素がバランスよく必要であることもまた事実で、一概に脂質をなくせばよいという問題でもないわけです。先日の NHK 「ためしてガッテン」でも一食あたりにおおさじ一杯程度の脂は摂るべきなのだと説明されていました。もちろん、加工食品などに含まれている脂質もそこに含めて考えなくてはいけないのはあるにせよ、なくせばいいというわけではないということは認識しなくてはならないわけです。
となったときによくあるのは、特定保健用食品の油(コレステロールをさげるとかの)を選ぶといったことですが、もっと根本的に油について知り、上手に料理に生かしていくということもこの時代だからこそ必要なことなのかもしれません。
この本は老舗油屋で販売に携わる著者が、いろいろな油の特徴を生かした料理の数々を紹介したもので、まさに打ってつけ。比較的簡単に少ない材料で作れるものが多く収録されており、電子レンジで過熱するだけといったものもあるので手軽に作れるというのも嬉しいです。
たっぷり使うからおいしいというわけでは必ずしもなく、ちょっとした油の使い方でこれまでの料理がぐっとおいしさを増したり、満足感を満たすといった変化を知るというのはこれからの油使いの基本となるべきかもしれません。
さらに、料理の作り方だけでなく、様々な油についての基礎知識なども豊富で、おもわずこれまで使ったことのない油も使ってみようかと思うこと請け合いです。
とかく肥満という観点からは敬遠されがちな油に対する認識を新しくするという意味においても非常に有益な一冊かもしれません。
ということでレシピ本ですからさっそく作ってみることにします。まずは、たまたまカバー写真にも採用されている「秋刀魚のオイル煮」。秋刀魚は常にあるのですが、いつもは単純に塩焼きにするだけなので。先日普通に煮付けにしてみたのですが、このオイル煮のほうが風味といいよかったようにも思います。
鍋に皮が貼りつきやすいという注意書きがありますが、普通のステンレス鍋を使用したこともあり、それならとクッキングシートを敷いて調理しました。これで皮が鍋に貼りついてしまう心配はまったくなくなります。鍋の汚れも少ないという利点もあるかも。
鍋を回しつつ火を通すようにすればやや少なめのオリーブオイルでも十分かもしれません。
ただ、やはり内臓を取り除いたりしてというのはやや面倒かも。塩焼きなら丸ごと(頭は別として)食べてしまえるので。それでも一度たまに食べてみたいと思える味ではあります。
続いては、「冬野菜のくたくた煮」。秋刀魚の時のオリーブオイルの残りをそのまま使ってしまうことにしました。冬は「ん」のつく野菜を食べるのがよいというので、大根、人参、と白菜、かぶの代わりというわけでもないですが小玉ねぎをいれてみました。塩味だけですが実に不思議なくらいの味わいに仕上がって、野菜が進みます。これは手軽で良さそうです。
紹介されていたなかではほかに「えごま油」に興味を持ったものの、なかなか見つけることができませんでした(「しそ油」という名前でもでているというので、あるいは気が付かなかっただけかもしれませんが)。ただ、ネットで確認するとなかなか高価な油のようで、さすがにおいそれと買うわけにもいきそうにありません。
それでも、この本を参考にして新しい油とのつきあいを始めてみるというのはよいのではないかと。
追記:2/15
「しそ油」の名前で売られているのを確認。しかし高価だ。
#旧本が好き!サイトのドメイン処理の不備により、意図しないリンク先となってしまうということで旧アドレスへのリンクを消去しています。(2012/02/12)
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