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現代語訳 日本書紀


4309407641現代語訳 日本書紀 (河出文庫)
福永 武彦
河出書房新社 2005-10-05

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 基本的には先に読んだ「現代語訳 古事記」と同じ内容といってよいものながら、話すときの音を再現しようとした古事記と違い、漢文調で書かれたというので微妙に翻訳の雰囲気が異なっているあたりが面白い。

 さらにさまざまな異書の記載も収載しているので、同じ事柄であってもまったく違う話になっていたりするものもあり、そのあたりの違いも面白み。

 とはいえ、正直こんなものを公に残してしまってよいのかというくらいに神代の天皇のあからさまな姿を書いてあってよいのかという内容は、本当のところどうなのだと。いってみれば身内の恥みたいな部分が多分にあるわけなのだが。

 妻もいるというのに「ねえねえ、あの娘がかわいいからお后にしようと思うんだよね。いい?」と妻に言うのだが、「駄目です!」といわれると、執拗にいいより、「わたしはもう出て行きます!」というと、じゃああの娘を后にしちゃおうってことでさっさと呼び寄せ、その一方で妻に対して「ねえねえ、帰ってきてよ。君がいないと寂しいよ」てなことを言うのだが、頑として帰ってこない。やがて、妻がそのまま亡くなってしまうと、じゃあ君が皇后ねとさっさと位を与えてしまう。

 さらには新しい皇后の妹が今度は気に入り、「ねえねえ、君の妹を后にしちゃだめ?」などという話に。

 もう手当たり次第。源氏物語もかくやという有様。これがまあほとんど延々と繰り返されるわけだ。いやまあ、この現代語訳には面白そうなところだけを抜き出しているので、これがすべてというわけでないのは理解するけれど、それにしても登場する天皇が軒並みといっていいほどに同じようにやたらと娘に手を出す。こんな自由奔放な性でいいのかってくらいに。

 この面白さを知らずにいるのはもったいない。

追記:
 古事記とあわせて読むのが絶対お薦め。

4309406998現代語訳 古事記 (河出文庫)
福永 武彦
河出書房 2003-08-05

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