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いちばーん

 「いちばーん」といえばハルク・ホーガンの雄たけびだが、売り上げランキングの一番しか買わない・読まないという風潮は今に始まったわけでもない。とはいえ、それが加速度的に蔓延してきているのは、それこそ「みんなと同じ」「流行にのる」「仲間はずれになりたくない」といった、よくわからない謎な世間というものと同じであることで安心感を得たいという意識の高まりもあるのではないかと。

 それだけ「本当は関心などない」とか「自分に自信がない」とかいうことの現れともいえるか。

 ことは本に限ったことではなくて、映画にしてもスポーツにしても、食にしても、同じであることで安心する日本的な心理が色濃く濃縮されてきて、まさに金太郎飴状態の粗製濫造。

 少しまえにさるところで、ベストセラー読書と図書館にまつわる話題があって、ベストセラーばかりを読む人々というのは読書や作家、あるいはそのジャンルに興味があるわけではなくて、なにやら評判だからという流行に乗っておかなくてはというだけなので、その先に進むことがないということを書いた。で、もう少しなにか書けそうだなとは思っていたのだが、なんとなくそのままになってしまった。

 「ランキングで注意しなくてはいけないのは、それはその店のランキングでしかない」というナレーションがあったのだが、まだ他にもあることは理解しておくべきかも。まあ、そこまではあまり言えなかったのかもしれないが、ランキングは必ずしも売り上げを反映していないというしごく当たり前のことを。

 店としてこれをどうしても押したいという商品をトップではないが、中盤以上の微妙なところに配置するということはよく行われているし、さらには出版社からこれを一位にしてくださいという話がされることもある。著者からということも。まあ、その背景については十分に想像がつくだろうから詳しくはいわない。

 だからといってランキングが悪いとまでいうつもりは無論ないけれど、多数の本が並んでいる棚や平台を見ていたら、それこそいろいろの本が目に付くわけで、おやっと思える本とそうして出会えることの楽しさを排除してしまうのはなんとももったいないことだと思わないかな。

 いや、そもそも本に関心などないのだから、無理もないのか。他にも楽しいことや、興味をそそることはたくさん存在する世の中なのだし。

 最終的に本を殺すのは読者ということか。いや、読者になりえない読者というようなことかな。

#もちろん、出版界の問題・弊害なども当然として。

ベストセラーの方程式 (ちくま文庫)
井狩 春男
4480030190

410131635Xだれが「本」を殺すのか〈上〉 (新潮文庫)
佐野 眞一
新潮社 2004-05

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