品揃えは永遠の命題
[ http://www.kt.rim.or.jp/%7ekbk/zakkicho/07/zakkicho0712c.html#D20071223-1 ]
[ http://d.hatena.ne.jp/takahashim/20071224#p1 ]
なるほど。greentea さんの怒りは分からないではない。高橋さんの話もひとつの理想。バイト経験からの内情もまたしかり。
大手の書店であっても、必ずしもすべての方面に対して詳しい人が必ずいるという状況は、残念ながら難しいということがひとつ。スーパーであれば扱っている食品や日用品にだけ習熟すれば商品把握はなんとかなるかもしれないけれど、書店ではあらゆることがその対象である。
これに関しては、親しくしてもらえる間柄が築けるのであれば、アドバイスするということも有益。まったく知らない人にいわれて仕入れを続けられるかどうかはまた別の問題でもあるでしょう。客注とは違うので。
必ずしも欲しい本は手に入らない。これはお客ではなく書店にとって。現状のシステムのなかでは、大手の書店を除くと書店は欲しい本を入手することは不可能といってもいいような状況があるということ。やや極論ではあるけれど、それに近い状況ではあるということ。もちろんそこにはもっと新しい視点とみずからの犠牲をもって取り組まなくてはならないという側面も潜んでいるので、業界全体として変化できなければ難しいところ。
専門書は売れないという現実は確かにある。いえまあ、売れないというと御幣はあるのだけれど、つまり大衆的な書籍に比べて売り上げはごくわずかであるということ。それは専門性が高いからということで、読者数が限定されてくることと、比較的高額であるので買い控えることもあるということなど。そもそも発行部数が少ない。出版社自身があまり売れないということを自覚している。
当然それは配本の極端な偏りとなって店頭に現れるわけで、そうした意味でも店舗として営業しないネット書店が運営しやすい面も強くなるのかも。
書店も安閑としていてはいけないのは確かであるにせよ、書店だけを責めてもどうにもならない構造的な問題というものが厳然と存在しているという事実も見なくてはならないのですよね。辛いところです。
やや時間を経たとはいえ、現状これら書籍流通販売の問題を知る上で、この本が最適なのは間違いないでしょう。
![]() | だれが「本」を殺すのか〈上〉 (新潮文庫) 佐野 眞一 新潮社 2004-05 by G-Tools |
![]() | だれが「本」を殺すのか〈下〉 (新潮文庫) 佐野 真一 新潮社 2004-05 by G-Tools |
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