おまけのこ
![]() | おまけのこ (新潮文庫 は 37-4) 畠中 恵 新潮社 2007-11 by G-Tools |
年末の 12 月の新刊として必ず出てくると予想していたしゃばけシリーズのあらたな文庫本。あるいは出ないのかと若干の不安もありながらやはり登場してくれたのでホッとしている。本来なら単行本で読んでしまえばよいのだろうが、書棚の都合というものもあるし、やはりそこは文庫本のありがたさ。図書館は田舎においては便利というにはやや無理があるので。
相変わらず丁寧に書かれているその文章が読み手のリズムを損なわない。どちらかといえばギッチリと文字で埋まっているにも関わらず、気持ちよく読み進めることができるというのはやはり文章が十分に練られているからなのだろうなと。
なかでも「こわい」と「おまけのこ」あたりがお気に入りといったところか。「こわい」は妖という形をとりながらも、人の世に巣くう心の裏側を見せられているようで、胸が痛む。ふと、わが身を振り返ってみなくてはなと思わされる。「おまけのこ」はどちらかといえば小さな鳴家(やなり)のちょっとした冒険譚という趣で、ほほえましくも読めるというところがなかなかいい。まあ一寸法師を連想させるあたりは微妙でもないけれど、まあそれはそれというものだろう。
先日放送されたドラマは録画したまままだ見ていない。そこそこ評判はよいようだが、さてどんなものだろう。近々見てみなくては。
次はまた来年ということかな。
| 固定リンク
コメント