桃花鳥
![]() | トキ―Nipponia nippon 黄昏に消えた飛翔の詩 (1983年) 教育社 1983-10 by G-Tools |
佐渡のトキ保護センターにおいて、5 羽のトキが、自然に戻す前段階としての巨大な檻に移されたとのニュース。あわせて 4 年前に純日本のトキは絶滅しているとも。結構気にはしていたつもりだったが、そんな事実も忘れている。
現在のトキは中国に生息している種を譲り受けたものを繁殖させているわけで、日本人的心情から思えば残念なところもあるのだろうけれど、件のトキ保護センターの説明を見れば、中国に生息している種と日本にいた種は同じニッポニア・ニッポンとして分類されているものであって、「どの国のトキである」ということではなく「トキという種を残すための努力をしたい」ということなのだというのはもっともなのだろうなあ。
Newton Books 掲載の「世界のトキの種類」を見ても、黒っぽいものなどが多い中ひときわ白く、朱鷺色も鮮やかなのはニッポニア・ニッポンくらいで、贔屓目というわけでもないがなんとか残したい・残さなければならないと思うのも自然なことなのだろうね。とはいえ、絶滅を招いたのもまたヒトによるものであるという認識はしっかりもたなくてはならないのだろうけれど。
自然に帰したいということそのものは願いたいことだが、はたして現状として将来的にそれがよいことなのかは、まだまだ難しい社会のようにも思える。
ニッポニア・ニッポンという名の美しい鳥がたぶん僕等の生きてるうちにこの世から姿を消してゆく
どこかの国で戦が起きたとTVのNEWSが言う子供が実写フィルムを見て歓声をあげてる
皆他人事みたいな顔で人が死ぬ場面を見てる
怖いねと振り返れば番組はもう笑いに変わってた
・・・・
僕らはむしろこの狭い部屋の平和で手一杯だもの
朱鷺のニュースに触れるたびに、どうしても「前夜」(さだまさし)を思い出してしまう。
美しい国ってなんだろうねえ。
夢の轍 プライス・ダウン・リイシュー盤
さだまさし 渡辺俊幸
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