« production | トップページ | ビンテージブルー »

ウェアラブルコイル

 どうやら随所で評判の高いアニメ「電脳コイル」。いや確かにこれはいい出来。近未来という設定ではあるものの、描かれる世界はむしろ現在よりもやや昔かとも思えるような田舎街ともいえる町並み。電脳メガネだけでそんなにいろいろとできるというのはちょっと凄すぎないかと思わないでもないが、むしろあまりに SF ちっくでないだけにさほどの違和感を覚えない。

 大人には見えない(メガネをかければ見えるのだろうけれど)世界というのは、なんとなく子供にしか見えない不思議なものやことがあるという、誰もが忘れてしまう心を思い出せるようでもある。暗くなるまで遊んでいた昔と重なるところを思うと、むしろ子供よりも大人のほうが楽しめるアニメになっていると思うのはごく自然なことかもしれない。

 そもそもは小宮さんが「不自然なまでにスカートの揺れの表現が上手い。上手すぎる。この当りに特殊な日本アニメの突き抜けた技能レベルを感じる(w」と書いていたので、それほどいうなら見てみなくては、などという下世話な興味からたまたま再放送された第1話を見たわけだった。(ついでに言うと折笠富美子さんが出るというのを新聞で見ていたのもある)

 キャラクターの絵柄には意見もあるようだけれど、これがあまりにキリリとしたキャラクターであったら、むしろストーリーとの違和感が大きくなってしまって一気に面白みが半減してしまうようには思える。

 一方で、アイテムやアイデアの面での遊び心には秀逸で、「ぼく、サッチー。よろしくね」の具現化されたウィルス駆除ソフトの姿は愛らしいがゆえに無気味に迫る。迫り来る「フォーマットしています」の文字もなんとも恐ろしい。電脳ペット・デンスケやら妹の不思議さやらメガばあやら。

 背景の割とあっさりとしているものの、作品のイメージをうまく表現しているところは、あだち充のそれと似ているかもしれない。

 全26話。久々にちょっと楽しみなアニメの始まり。

 [ 電脳コイル ]
 [ 【レポート】懐かしくて新しい! 新世代のご町内SFアニメ『電脳コイル』NHK教育で5月開始 (2) 記者会見での関係者コメント | ホビー | マイコミジャーナル ] (一番下の写真に「オヤジ」と「サッチー」の姿が)

 小説版は、独自の展開をみせていくらしい。「あんた、バカぁ?」の方ではないそうです。(しらなんだ)

4198507430電脳コイル 1 (1)
宮村 優子 磯 光雄
徳間書店 2007-04

by G-Tools


 音楽もなかなかいい感じ。

B000O5B0IW電脳コイル サントラ音楽集
TVサントラ 池田綾子 斉藤恒芳
徳間ジャパンコミュニケーションズ 2007-05-23

by G-Tools


追記:( 06/03 )
 上記小宮さんの日記は、都合によりしばらくお休みとのことで、プライベートモードになっているかと思われます。悪しからずご了承のほど。

|

« production | トップページ | ビンテージブルー »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ウェアラブルコイル:

« production | トップページ | ビンテージブルー »