ヨキミセサカエル
![]() | ヨキミセサカエル―本の街・神田神保町から 柴田 信 日本エディタースクール出版部 1991-02 by G-Tools |
[ 徹也: スキー場 ] の最後に、
斧研川と書いて『よきとぎがわ』と読むらしい。
と書かれていて、そういえば斧は「よき」ともいうのだったなあ、と思ったらつい昔読んだこの本が連想されてしまった。(【ほんつな】あなたの読みたいがわかる : 助手と本を探す で「斧 ヨキ」で試したら情報が少なすぎますねえ、といわれた。そりゃそうだわ。)
主として書店の経営や運営、書店員の仕事などについて発表されたことなどをまとめたもの。本好きという人にとっては書店というものの中をいくばくかのぞくことができるということでもある。すでに 10 年以上も前のものであるから、ネット書店隆盛のこのご時世にあっては、やや状況が異なっているかもしれないが、書店であるからこそのメリットというのは確かにあって、そのあたりをよりよくしていくことが今後の生き残りなのかもしれない。
ややもすると与えられた仕事の量のみを、限られた時間の中でこなしていくだけの毎日になりがちなのが書店の現場です。しかし、そこからはプロの書店員は育ちようがないし、まして主体性のある自立した人材は生まれようがありません。( p.61 )
ヨキミセサカエルとは、かつてのタイプライター式のレジ(といっていいのか? 桁ごとに 1 から 9 までの数字ボタンが並んでいるタイプのレジスター。下の写真参照)の部門コードを示すためのボタンについていた文字。上から順に「ヨキミセサカエル」と並んでいて、それはつまり「良き店栄える」にかけている。昔のレシートを思い出せば、そんなカタカナがあったなあと思い出せる人もあるかもしれない。
ちなみにレジ本体の右横には丸い穴が開いていて(ふたはあるけど)、そこにはハンドルが取り付けられるようになっていた。初期からそうであったかまでは知らないが、電動で動作していたレジだったが、停電の時にはそこにハンドルを差し込んでグルリと回してやるとレジが使えるというものだった。停電そのものもあまりなくなった時代ではそうそう経験するものでもないが、幸いというか一度だけ使ったことがあったなとふと思い出す。もっともあまりの重さに(なんせ機械式だから)ずっとそれで使い続けるのは大変だろうなとは思ったけれど。
なんだか大分はなしがそれた。
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