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神隠し三人娘 怪異名所巡り


神隠し三人娘―怪異名所巡り神隠し三人娘―怪異名所巡り
赤川 次郎

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 実のところ赤川次郎は読んだことがなかった。というのもあまりに多作すぎてちょっと興味が失せていたというようなこと。いくらなんでも書きすぎだろう、というくらい著作が多くて、毎月数点は出版されるような勢い(最近もそうかはよく知らないけれど、少なくとも過去においてはそういう傾向があった)。本当は何人もで書いているグループ作家なんじゃないの(笑)、などと思ってしまうくらいに。

 故に、映像化されたりも含めて著名なものについてすら読むことがなかった。ここにいたってひとさまの薦めで読んでみたこの作品は「いいじゃない」。ミステリーツアーというのはよくあるが、鉄道なら行き先は限定されていてさほどミステリーでもない。バスなら行き先の不明さはよりあるだろうけれど、この作品のミステリーツアーはそういう類ではなく、まさに曰く因縁のあるような場所、幽霊がでるだの怪事件があった場所だのばかりを巡るツアー。現実にはまずないだろうというツアーだからこそ、軽いミステリーの題材としては面白く仕上がっている。

 霊感の強いバスガイドがその霊たちの思いを聞き届けて心の平安を届けてあげる、という温かいところもありつつ、笑える要素も散りばめられていて、なかなかに飽きさせない。時にずしりと重い課題すら突きつけられたりすることも。

「ねえ、毎週毎週、あんなものを見せられて、子供たちの中に、違う世界の奴は戦って殺すしかないんだ、という考えがいつしか根づいているとしたら・・・。あの子たちが大人になったとき、またいとも簡単に戦争を始めてしまいそうな気がして」

『怪獣たちの眠る場所』から

 ヒーローものの脚本家のこの台詞はちょっと重いものを含んでいるなあ。

 それはともかく。これ、ドラマにしたら面白そうだな、と思っていたら、解説で既にドラマ化されて DVD も出ていると書かれていた。そういえばテレビ番組欄で見た記憶があるような、ないような。主人公が菊川怜ってのがちょっとイメージ違うかなあと、思わないでもない。

 続きがまだあるようなので、もう少し楽しめそう。

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