夜のピクニック
![]() | 夜のピクニック 恩田 陸 新潮社 2006-09 by G-Tools |
気が付いたら読み終えてひと月あまりがたってしまった。公開された映画はどうなっているのか? もう終わったのか、まだやっているのか。
ひたすら歩きつづける高校の行事。一日かけてひたすら歩きつづける。そのなかで生徒たちのいろいろの思いが明かされ、語られ、そして朝になる。
夜であるというところと仲間とともにというところがポイント。深刻な悩みは夜に考えるべきではない。特にひとりでは。得てして悪い方向へと考えが導かれ、結果よい方向性を見つけられないことが多い(基本的に悩みごとはよく晴れた青空のもとでするほうがよい)。ただ、反面、普段であればなかなかいえないようなことも話しやすかったり、考えやすかったりという利点はある。そこで重要なのがひとりではないということ。
昼間ではなく夜のそうした状況下では、いたってまじめに反応することが抵抗無くできたりするわけで、ひとりで考えたときのような方向とは逆方向への思考ベクトルが向かうとでもいう状況が生まれたりする。
別に歩かなくてもどこかでボーッと夜空をながめつつということでもよいのかもしれない。
昔、夏の夜になると必ず夜通し星を見つつ話をしていたことを思い出したり。ずいぶん続けていたが次第にそんな時間も取れなくなっていったなあ、などと。まあ、それだけがすべてではない。
夏の夜の未明に登るオリオンの美しさは、なかなか味わえるものではないのだよねえ。
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