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住まいのつくり方―建築家といかに出会い、いかに建てるか


4121017668住まいのつくり方―建築家といかに出会い、いかに建てるか
渡辺 武信
中央公論新社 2004-09

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 渡辺さんの前三作は既に読んでいて、なかでも「住まい方の思想―私の場をいかにつくるか」「住まい方の演出―私の場を支える仕掛けと小道具」あたりは映画やミステリなどを例にしていたりして、その方面が好きな人にはちょっと嬉しい本でもあった。

 今回、人に贈る目的で見ていたら、新しいものがでていたことに気づいたので自分でも読んでみた(もっとも出たという話はどこかで目にしていたようにも思うのだが、すっかり忘れていた)。

 これまでの本はどちらかというと部分的なアイデアであるとか、日本的な工夫や由来などの解説といったものだったといえるのだけれど、今回はまさしく”つくり方”に直結した内容になっている。

 住宅メーカーに依頼して建てるのと建築家に設計を依頼して建てるのとはどう違うのか、とか具体的な住宅設備に関してどのようなものがいくらくらいで維持費などもこうなる、といった概算がきちんとした数字で示されている。

 建築家だからといって、そちらに贔屓目にばかり書いているわけでもなく、いろいろの方法のなかのひとつとしてそれぞれの特徴を分かりやすく説明されているので、住宅建築を考えている人にとってはこのうえない参考書のひとつといえるはず。

 これまでの著作を読んでも、渡辺さんという人なら設計を依頼してもいいかなあ、などと思っていたくらいだから、ご縁があればお願いしたいくらいだけれど、残念ながら家を建てるということはまずなかろうと思っているので、その夢が叶うことはないのだろうな。

 とはいえ、人生のなかでそうそう何度も考えることはないであろう住宅建築について、充分な基礎知識を得ることのできる一冊ということは間違いないかと。

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