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棚を見る楽しみ

 「書店日記第27回:ジャンルわけの問題」を読んでいて、思い出したことがひとつ。思索社発行「鼻行類―新しく発見された哺乳類の構造と生活」ハラルト・シュテンプケ、のこと。普通であれば、理工書の生物学関連の棚に置かれているケースが多いかと思う。もちろん、どの棚に置くかは書店員の采配にかかっているものでもあるので、いかにして売ろうかといった観点から様々な試みがあるのは先の書店日記の記事からも分かることです。

 もっとも、この本の場合、もう少し違った場所に置くという書店員もいるはずで、それはそれでこの本をよく知っているということでもあります。

 最近ではネット書店で本を購入することも増えたのですが、それは流通上の問題から発売されてもなかなか入手できない、地域的な問題であったり。どうせ注文で取り寄せるのであれば圧倒的に早く、しかも条件(せいぜい合計金額 1500 円以上程度ですし)によっては送料などもかからずに、自宅に届けてもらえる、という利点にあるのは間違いのない事実です。

 ただ、そうした買い方には「この本を買う」という明確な購入意志とでもいうものが必要です。なにか面白そうな本はないかな?と思って棚を眺めるという楽しみはありません。その棚が書店員によってあれこれと試行錯誤され、巧みに読者に呼びかけているようなものであった日には、それこそワクワクする楽しさで過ごすことができます。今のネット書店には、少なくともそうした楽しみはないです。

 唯一、アマゾンなどで、「これを購入した方は、こんな本も一緒に購入しています」というやつが相当するかもしれません。

 ただただ、新刊であろうと、既刊であろうと、特定のジャンルの本などをズラズラと眺めたいなあ、という気持ちがあるのですが、今のネット書店にはそうした工夫はありません。むろん、そうした工夫にはいろいろと障害もありそうなのは想像に難くはないのですが。

 そうはいっても、現実として書店への足が遠のいているというのも確かなことで、それはひとえに自分自身の怠慢でしかないのですが。

 書店の楽しみは、棚を見る楽しみでもあると思います。となれば、棚作りに特色を持たせることができるかどうかも問われそうです。翻っていえば書店員の力量が問われるということでしょうか。いやいや、読者である、わたしたちの力量こそ問われているのかも。

 現在入手できるのは以下の平凡社から 1999 年に発行されたもののようです。ちょっと残念(^^;
 鼻行類―新しく発見された哺乳類の構造と生活

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