音便までが誤用なのか
日本語にかぎらず単語のつながりによって発音が変化することがある。日本語であれば、音便であったりその結果としての鼻濁音だったりする。フランス語でいえばリエゾンだろうか。こうしたものは言語として使いやすくするための工夫であったりするわけだから(言語学者ではないから正確なところは知らないが)、とうぜん使われてよいし、かえって使いやすいし、ましてや間違い(誤用)などではない。
なのだが、昨今は正しくはこうだとばかりに無理に読むテレビなどがある。
「舌鼓をうつ」
個々の読みを見ていけば、むろん
「したつづみをうつ」
であるが、音便を受けて
「したづつみをうつ」
と読まれるのが普通だ。事実、読みやすくもある。辞書によれば後者は「口語では・・・ともいう」とある。とするとやはり前者が圧倒的にただしいのだろうか。ただ、後者のほうが耳障りはよいと思うのだが。
また、「越前蟹」を「えちぜんかに」と言っていたのは、どうも気持ちが悪い。商標として名前としてそう呼ぶことにしたというのであれば、それはまた別のことだが、では「たらばかに」なのか「ずわいかに」なのか。
検索すると蟹を扱う商店(みやげもの?)でそうした呼び方をしているようだが、報道としては「がに」とすべきではないのだろうか。この地方では「かに」と呼ぶとの説明をつける程度で。
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