「図南(となん)の翼 十二国記 エピソード 6」読んだ

 「風の万里 黎明の空」につづくお気に入り。陽子の時代で一番長く王位にあるのが雁(えん)王。つづく長さの 100 年以上だったか治世する恭国王・珠晶(しゅしょう)。若き(見た目)女王でありながらその長い治世をもたらすはじめとなる王にたつために旅するロードストーリー。

 少女時代にすでに王は斃れていて国は乱れており、しかし大人たちは誰も王にたとうとしない。豪商の娘であったがゆえに特に不自由のない生活ではあったものの、使用人たちの生活の実態を知ってなにかわだかまりを覚える。

 やがて、大人がだらしないならわたしが王になるしかないと昇山(しょうざん)を決意。家の金と奇獣をくすねて旅立つ。途中奇妙な仲間を得て逢山(ほうざん)を目指すが、簡単な道のりではなく金を奪われそうになったり命を危うくしたり。なんとか逢山にたどりついたところで魔物の棲む世界は想像以上に恐ろしい場所でたやすくはない。

 そんなくだりを時にコミカルに、時に哲学的に描き出していて実に読ませる。最後の叫びは実に当然でもあるが、まあ、それは今このときだからそうであったのであって、彼女が生まれたときにはそうではなかったのだろうと読者としては理解もできる。それでも、その叫びは実に正しい。そんなホッとした最後を迎える旅路の痛快さが実によい。

 今作だけを読んでもまったく問題なく成立する物語ではあるものの、順序よく読んでいると、「これはあの?」と気づく部分も多く、物語世界全体を補完するに十分な作品であることもまた事実。

 ぜひ、この作品はアニメーションで見たいものだなと思うのだが、もう無理なのだろうか。

図南の翼 (となんのつばさ) 十二国記 6 (新潮文庫)

 

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「エンピツ戦記 誰も知らなかったスタジオジブリ」文庫版を読んだ

 これまた読んだのは夏ころなのでちょっと記憶があいまい。舘野さんのこの本を単行本の頃に知って読もうと思っていた。で、単行本買うかと思っていたころに急に扱いがなくなってしまい、増刷を待つかと思っていたらふいに文庫化の話が流れてきたので、ではそちらを待とうと。ということで夏ころだったかに出たのを買った。

 ジブリで舘野さんがどういう仕事をしていたのかということがわりと丁寧に書かれていて、なるほどそういう作業を専門に請け負う人を用意していたか。と素直に驚いたが、しかし、これはひとりで背負うにはなかなか大変な仕事なのではという感じ。以降、ほかのスタジオでもこの体制というのが広がっているようで「動画検査」だったり「動画チェック」だったりという名前がでない作品はあまり見ないという感じになっている。

 若かりし頃のお写真などもあって、「そりゃ若手男性スタッフは落ち着かないよね、うん」と納得したりも。

 ジブリを辞めることになるいきさつにしてもその重責と負担の大きさは否めないようで、それでも、その後ササユリをはじめて後進の指導・育成に当たられていて確かな人材育成・排出に貢献されていてとてもすばらしい。

 そんな、あれやこれやを知る一端となる本書。アニメ制作の実際を垣間見るという点でも有益な一冊とはいえそう。この手はあまりないので。ベテランの人たちがもっともっとこの手の本を聞き書きでもよいので残していくべきよねとも強く思う。

エンピツ戦記-誰も知らなかったスタジオジブリ (中公文庫 た 99-1)

 

 

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荒井由実時代のアルバム類をまとめた CD BOX を購入した

 以前から荒井由実時代の曲だけは手元に残したいなと思っていた。今がダメとかではなくあまり好みではないなというのが増えてきてしまったのと、荒井由実時代の曲にはいまだに惹かれるものが多いなと思いつつも、残念ながらきちんと聞いたことはないのでいずれ揃えておきたいなと思っていたのだった。

 以前調べてみたときに個々のアルバムの CD などがでているというのはわかっていた。そろそろと思ってあらためて調べてみたら、どうやら荒井由実時代のアルバム、シングルだけをまとめた BOX が 2004 年に発売されていたと知ったので、それでよいかと。ここにそろえるよりもお手軽でお安い。限定版というのにはプロモーションビデオひとつを収録した DVD もついているという。まあ、その映像はひとつだけだし(一曲だけ)あってもなくてもよいかというか、すでに 20 年あまりが経過していていまだに限定版があるわけもなかろうと。

 実際アマゾンとかでも通常版と記載されていたのだけれど、届いてみたら限定版だった。売れないのかな? (^^;

 しかし、松任谷時代(特に近年)のそれよりもはるかによい作品が揃っていると今も思うのだけれど。ユーミンの原点はここにすべてあるというくらいに。素人離れしているけれど、いまだ商業的ではなく、自由に才能を発揮していた時代の曲たち。そう思う。

 アルバム 4 枚、シングルを集めた 1 枚。これらを通して聞いてみているけれど、知らなかった曲もいくつかあるし、聞き覚えのあるもの、よく耳に残っているものを含め実にしあわせな時間に浸れる。

 もちろん、今は今でよいものもあるのだろうけれど、自分にとってはここでよいなと。まあ、年寄りってことなのでしょう。

Yumi Arai 1972-1976

 

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「メイドさんは食べるだけ 5」買った、読んだ

 来年 2026 年にアニメ放送があるというのは知っていたけれど、まさかここへきて長らく出ていなかったコミックス続巻がでるとは。

 ということであわてて予約して購入、読んだ。

 現状では既刊分はすべて絶版。電子書籍は残っているのだろうけれどもはや増刷されることもなく続きがでることも紙ではないのではとがっかりしていたところなので朗報。

 相変わらずすずめちゃんはかわいいし、おいしいものを食べている(しかも贅沢なものでは決してない!)姿はうれしそうなのでこちらも幸せな気持ちになれる。ふっ、実にほのぼのした漫画なのである。

 アニメ化を機に既刊分の増刷がかかるのかは気になるところではあるけれど、さてどうか。ちょっとマイナーな作品なので難しいかもしれないか。あるとよいがなあ。

 アニメのほうも通常の 30 分枠ではなく 15 分枠あたりかもしれない。まあ、そのほうがほどほどともいえるので、どのようであってもよい。声も一ノ瀬加那さんというので、まずまず良い感じだし。動くすずめちゃんを楽しみに来年を待つのだ。(ほとんど我が子の成長を喜ぶ親のような心境)

メイドさんは食べるだけ(5)

 

 

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「丕緒(ひしょ)の鳥 十二国記 エピソード 5 短編集」読んだ(すでに)

 短編集ということで基本的には本編の物語とは少し離れたところにある物語群。どちらかというとこの世界というものをより確かなものにするために補完される物語。

 王に関する儀式のひとつとして作りものの鳥を射落とす儀式があり、その鳥を作ることを生業としている官の話が表題作。その儀式のふしぎな光景であったり、それにまつわるさまざまが語られていって、世界観を補うにもおもしろい。

 春ころに読んだのでちょっともう記憶があやふや。

 

 

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